チャートを見ていると、価格が移動平均から大きく上や下に離れることがあります。その離れ具合を、相場の動きの大きさに合わせて数字で表したものがZスコアです。
この記事では、乖離・標準偏差・Zスコアの考え方を、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、Zスコアをチャートの下の窓に表示する「移動平均乖離・Zスコア表示インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- Zスコアは、価格が平均から標準偏差の何倍離れているかを表す数字です。計算は「(価格-平均)÷標準偏差」です。
- 一般的には、プラス2を超えると買われすぎ、マイナス2を下回ると売られすぎという見方をします。
- 「移動平均乖離・Zスコア表示インジケーター」は、Zスコアを下の窓に4色の棒グラフと線で表示し、行き過ぎのゾーンから戻ったローソク足に反転候補の矢印を出します。
- 今のZスコアと状態、平均の価格と平均からの差(pips)も表示します。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | 移動平均乖離・Zスコア表示インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_ZScore.ex4/MT5版 MAM_ZScore.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | Zスコアの4色の棒グラフと線、シグナル線、0・プラスマイナス2・プラスマイナス3の水準線、反転候補の矢印(下の窓とメインのチャート)、今のZスコアと状態の表示 |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(反転候補の矢印が出た時。行き過ぎのゾーンに入った時も選べます) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
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乖離とは?
乖離とは、離れている、という意味です。ここでは、今の価格が、移動平均からどれだけ離れているかを指します。
移動平均は、過去何本かの終値を平均した価格です。このインジケーターでは、初期設定で20本の終値の平均を使います。

たとえば、平均が158円00銭で、今の価格が158円40銭なら、平均から40銭上に離れています。

40銭という数字だけでは、大きいのか小さいのかわからない
ただ、40銭という数字だけでは、それが大きいのか小さいのかが、わかりません。よく動いている時期の40銭と、ほとんど動いていない時期の40銭では、意味が違うからです。

標準偏差とは?
そこで使うのが、標準偏差です。標準偏差は、価格が平均のまわりに、どれくらいばらついているかを表す値のことです。よく動いている時期は大きく、落ち着いている時期は小さくなります。標準偏差は、シグマ(σ)という記号で表すこともあります。

Zスコアとは?
Zスコアとは、価格が平均から、標準偏差の何倍離れているかを表す数字です。計算は、価格から平均を引いて、標準偏差で割ります。

数字の例
平均が158円00銭、標準偏差が20銭で、今の価格が158円40銭だとします。平均との差は40銭です。40銭を20銭で割ると2なので、Zスコアはプラス2です。
今の価格が157円70銭なら、平均との差はマイナス30銭です。マイナス30銭を20銭で割ると、Zスコアはマイナス1.5になります。
Zスコアがプラスなら平均より上、マイナスなら平均より下にあります。0なら、ちょうど平均の位置です。

Zスコアの一般的な見方
一般的には、Zスコアがプラス2を超えると、平均から上に大きく離れた買われすぎの状態、マイナス2を下回ると売られすぎの状態、という見方をします。そして、大きく離れた価格は、平均に向かって戻りやすい、と考えられています。
このインジケーターでは、プラス2より上と、マイナス2より下を、行き過ぎのゾーンと呼んでいます。

MT4とMT5の両方に対応
移動平均乖離・Zスコア表示インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
下の窓と5本の横線
チャートに適用すると、チャートの下に別の窓が表示されます。窓の中には、横線が5本引かれています。真ん中が0、その上下がプラス2とマイナス2、一番外側がプラス3とマイナス3です。

棒グラフの4色
窓の中の棒グラフが、ローソク足ごとのZスコアです。0より上の棒は緑、0より下の棒は赤です。色の明るさにも意味があります。
- 0より上で、Zスコアが前より大きくなっているときは明るい緑
- 0より上で、前より小さくなっているときは暗い緑
- 0より下で、前よりさらに下がっているときは明るい赤
- 0より下で、0に向かって戻っているときは暗い赤
明るい色は平均から離れていく途中、暗い色は平均に戻ってきている途中、と見ることができます。

Zスコアの線とシグナル線
棒グラフの先をつなぐ白い線が、Zスコアの線です。金色の点線は、シグナル線です。シグナル線は、Zスコアの5本分の平均で、Zスコアの動きをなめらかにしたものです。

反転候補の矢印
初期設定では、Zスコアが行き過ぎのゾーンから戻ってきたローソク足に矢印が出ます。
たとえば、Zスコアがプラス2.3まで上がり、次のローソク足でプラス1.8に下がって確定すると、プラス2のゾーンから戻ったことになります。このとき、売りの反転候補として、オレンジの下向き矢印が出ます。反対に、マイナス2より下から戻ってきたときは、買いの反転候補として、水色の上向き矢印が出ます。
矢印は、下の窓と、メインのチャートの両方に表示されます。メインのチャートでは、売りの矢印はローソク足の上、買いの矢印はローソク足の下に出ます。矢印は、確定したローソク足だけで判定するので、一度出た矢印が、あとから消えることはありません。

今のZスコアと状態の表示
下の窓の左上には、2行の表示があります。
1行目は、今のZスコアと、今の状態です。状態は、通常の範囲、買われすぎ、大きく買われすぎ、売られすぎ、大きく売られすぎの5つです。プラス2以上で買われすぎ、プラス3以上で大きく買われすぎです。マイナス側も同じです。買われすぎのときはオレンジ、売られすぎのときは水色の文字になります。
2行目は、今の平均の価格と、今の価格が平均から何pips離れているかです。pipsは、FXで値幅を数えるときの単位で、ドル円の場合は、1pipsが1銭です。

通知の機能
通知は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知に対応しています。初期設定では、ポップアップと音がオンです。反転候補の矢印が出たときに、その時のZスコアと価格をお知らせします。
メールとスマホへの通知は、MT4(MT5)側の設定をしてから、パラメーターでオンにしてください。パラメーターでオンにすると、行き過ぎのゾーンに入ったときにも、お知らせできます。
反転候補の出し方は3つから選べる
パラメーターの「反転候補の出し方」で、矢印を出すタイミングを3つから選べます。
- ゾーンから戻った確定足(初期設定):戻ったのを確かめてから出るので、少し遅れて出ます。
- ゾーンの中でZスコアが向きを変えた確定足:V字のように折り返したところで出るので、戻ったときより早く出ます。1回ゾーンに入るごとに、1回だけ出ます。
- ゾーンに入った確定足:一番早く出ますが、そのまま同じ方向に進むことも多くなります。
判定に使う水準も、プラス2とマイナス2の1段目か、プラス3とマイナス3の2段目から選べます。2段目にすると、矢印の回数は少なくなります。
移動平均乖離・Zスコア表示インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「ZScore.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_ZScore.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_ZScore」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「ZScore_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_ZScore.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_ZScore」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ID | 1 | 同じインジケーターを1つのチャートに複数入れるときは、別の値にします。 |
| 平均・標準偏差の期間 | 20 | 何本のローソク足で平均と標準偏差を計算するかです。 |
| 平均のとり方 | 単純移動平均(SMA) | 指数移動平均(EMA)も選べます。指数移動平均は、新しい価格ほど強く反映させる平均です。 |
| 計算に使う価格 | 終値(Close price) | 始値・高値・安値なども選べます。 |
| シグナル線の期間 | 5 | Zスコアの何本分の平均をシグナル線にするかです。0にすると表示しません。 |
| 行き過ぎの水準1・水準2(σ) | 2.0・3.0 | 行き過ぎのゾーンの1段目と2段目の水準です。 |
| 反転候補の出し方 | ゾーンから戻った確定足 | 「ゾーンの中でZスコアが向きを変えた確定足」「ゾーンに入った確定足」も選べます。 |
| 判定に使う水準 | 1段目の水準(初期値±2σ) | 2段目(初期値±3σ)にすると、矢印の回数は少なくなります。 |
| メインチャートにも矢印を表示/矢印を出す範囲 | true/直近1000本 | メインのチャートに矢印を出すかどうかと、出す範囲です。 |
| 4色のヒストグラム・Zスコアの線を表示 | true・true | 棒グラフと白い線を、それぞれ表示するかどうかです。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| Zスコアの線・シグナル線の色 | 白・金色 | 線の色を変えられます。 |
| 棒グラフの4色 | 明るい緑・暗い緑・赤・暗い赤 | 平均より上・下で、広がっているとき・縮んでいるときの色です。 |
| 水準線の色 | 灰色 | 5本の横線の色です。 |
| 買い・売りの反転候補の矢印の色/矢印の大きさ | 水色・オレンジ/2 | 矢印の色と大きさを変えられます。 |
| 今のZスコアと状態を表示/文字サイズ | true/9 | 下の窓の左上の表示です。 |
| ポップアップで通知・音を鳴らす | true・true | 反転候補の矢印が出たときにお知らせします。音ファイルは alert.wav です。 |
| メールで通知・スマホへプッシュ通知 | false・false | 使うときはtrueにします。MT4・MT5側の設定が必要です。 |
| 行き過ぎゾーンに入った時も通知 | false | trueにすると、ゾーンに入ったときにもお知らせします。 |
使うときの注意点
- Zスコアが行き過ぎのゾーンに入っても、すぐに平均に戻るとは限りません。強いトレンドが出ているときは、Zスコアがプラス2より上に張り付いたまま、価格が上がり続けることもあります。
- 標準偏差は、値動きの大きさによって変わるので、同じZスコアでも、平均からの値幅は時期によって違います。
- 反転候補の矢印は、過去の値動きから計算した目安で、その方向に動くことを示すものではありません。
- 判定は確定したローソク足だけで行うので、一度出た矢印が、あとから消えることはありません。
移動平均乖離・Zスコア表示インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 一度出た矢印が、あとから消えることはありますか?
ありません。判定は確定したローソク足だけで行うので、一度出た矢印があとから消えることはありません。
Q. もっと早く矢印を出すことはできますか?
できます。パラメーターの「反転候補の出し方」を「ゾーンの中でZスコアが向きを変えた確定足」にすると、戻ったときより早く出ます。「ゾーンに入った確定足」にすると一番早く出ますが、そのまま同じ方向に進むことも多くなります。
Q. 矢印の回数を減らすことはできますか?
できます。パラメーターの「判定に使う水準」を2段目(プラス3とマイナス3)にすると、矢印の回数は少なくなります。
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まとめ
今回は、乖離・標準偏差・Zスコアの考え方と、Zスコアをチャートに表示する無料の「移動平均乖離・Zスコア表示インジケーター」を紹介しました。
Zスコアは、価格が平均から標準偏差の何倍離れているかを表す数字で、相場の動きの大きさに合わせて、平均からの離れ具合を比べることができます。移動平均乖離・Zスコア表示インジケーターを使えば、Zスコアの4色の棒グラフと線、行き過ぎのゾーンから戻ったときの反転候補の矢印、今のZスコアと状態をチャートで確認できます。
Zスコアをチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。




