損切りの目安をどこに置くかは、相場が荒れているときと落ち着いているときで変わります。値動きの幅に合わせて、損切りの目安を自動で動かしていく方法のひとつが、ATRトレーリングストップです。
この記事では、ATRトレーリングストップの考え方を、ATRとトレーリングストップの意味から、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、ATRで損切りの目安線を描く「ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- ATRトレーリングストップは、価格から、ATRの何倍かだけ離れた位置に、損切りの目安を置く方法です。
- 「ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーター」は、買い側は水色、売り側はピンクの線で、損切りの目安をチャートに描きます。
- 終値が線を抜けて向きが切り替わると、買い・売りの矢印が出ます。確定したローソク足だけで出すので、あとから消えません。
- 左上のパネルで、今の向き・ストップの価格・ほかの時間足の向きを確認できます。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_ATRStop.ex4/MT5版 MAM_ATRStop.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | ATRストップの線(買い側・売り側)、向きが切り替わった時の矢印と「買い」「売り」の文字、状態パネル(今の向き・ストップの価格・ほかの3つの時間足の向き) |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(向きが買いや売りに切り替わった時) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーターを無料でダウンロードする ▼

ATRとは?
ATRは、アベレージトゥルーレンジの略で、ローソク足1本が、平均でどれくらい動くかを表す値のことです。
たとえば、1時間足のATRが20銭なら、最近のドル円は、1時間に平均20銭くらい動いているということです。ATRは、相場が荒れているときは大きく、落ち着いているときは小さくなります。このインジケーターでは、初期設定で、10本分のATRを使います。

トレーリングストップとは?
トレーリングストップとは、価格が有利な方向に動いたら、それについていくように動かす、損切りの目安のことです。
たとえば、買いの場合は、価格が上がるたびに、損切りの目安も引き上げます。ただし、価格が下がったときは、損切りの目安は下げずに、そのまま残します。こうすることで、上がっている間はついていき、流れが変わったところで、損切りの目安に当たる、という考え方です。

ATRトレーリングストップとは?
ATRトレーリングストップは、価格から、ATRの何倍かだけ離れた位置に、損切りの目安を置く方法です。値動きが大きいときは離れた位置、小さいときは近い位置になるので、相場の荒さに合わせて幅が変わります。

数字の例
初期設定の倍率は1倍です。ATRが20銭で、買い側にいるとします。
- 終値が158円00銭なら、ストップは、20銭下の157円80銭です。
- 次のローソク足の終値が158円30銭に上がると、20銭下の158円10銭に、ストップを引き上げます。
- その次の終値が158円20銭に下がったときは、20銭下は158円00銭ですが、ストップは下げないので、158円10銭のままです。

ストップを下に抜けると、売り側に切り替わる
そして、次の終値が158円05銭になると、ストップの158円10銭を下に抜けたことになります。このとき、買い側から売り側に切り替わります。売り側のストップは、終値の20銭上の158円25銭になります。売り側では、価格が下がるたびに、ストップを引き下げていきます。
ここでは、わかりやすく、ATRが変わらないものとして計算しました。実際には、ATRもローソク足ごとに変わります。

ATRストップの一般的な見方
一般的には、終値がストップより上にある間は上昇、下にある間は下降の流れ、という見方をします。

MT4とMT5の両方に対応
ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
ATRストップの線
ローソク足に沿って、1本の線が引かれています。これが、ATRストップの線です。買い側のときは、ローソク足の下に水色の線、売り側のときは、ローソク足の上にピンクの線です。
買い側の線は、上がるか横ばいで、下がることはありません。売り側の線は、下がるか横ばいで、上がることはありません。

転換の矢印
終値が線を抜けて、向きが切り替わると、そのローソク足に矢印が表示されます。
- 売り側から買い側に切り替わったときは、ローソク足の下に緑の上向き矢印と「買い」の文字が出ます。
- 買い側から売り側に切り替わったときは、ローソク足の上に赤の下向き矢印と「売り」の文字が出ます。
矢印は、確定したローソク足だけで出すので、一度出た矢印が、あとから消えることはありません。

左上のパネルの見方
- 1行目は、インジケーターの名前と、ATRの倍率、ATRの期間です。
- 2行目は、今の向きです。買い側なら緑で、上向きの三角と「買い」、売り側なら赤で、下向きの三角と「売り」と表示されます。

- 3行目は、今のストップの価格です。カッコの中には、今の価格からストップまでが、何pips離れているかが出ます。pipsは、FXで値幅を数えるときの単位で、ドル円の場合は、1pipsが1銭です。
- 4行目は、向きが切り替わってから、何本たったかです。

ほかの時間足の向き
その下の3行は、ほかの時間足の今の向きです。初期設定では、15分足、1時間足、4時間足です。時間足は英語の略で書かれていて、Mは分、Hは時間を表します。M15は15分足、H4は4時間足です。
たとえば、今のチャートが売りでも、4時間足が買いなら、大きな流れと短い流れの向きが違う、とわかります。

通知の機能
通知は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知に対応しています。初期設定では、ポップアップと音がオンです。向きが買いや売りに切り替わったときに、その時の価格と、ストップの価格をお知らせします。メールとスマホへの通知は、MT4・MT5側の設定をしてから、パラメーターでオンにしてください。
感度は4つから選べる
パラメーターの「感度」は、4つから選べます。
- 高感度(初期設定):倍率は1倍です。早く反応しますが、切り替わる回数が多くなり、すぐに戻されることも多くなります。
- 標準:倍率2倍です。
- 低感度:倍率3倍です。
- 自分で指定:好きな倍率を入れられます。
倍率が大きいほど、線は価格から離れ、大きな流れの変わり目だけで切り替わります。
ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「ATRStop.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_ATRStop.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_ATRStop」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「ATRStop_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_ATRStop.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_ATRStop」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 感度 | 高感度(倍率1.0) | 標準(倍率2.0)、低感度(倍率3.0)、自分で指定も選べます。 |
| ATRの倍率 | 1.0 | 感度で「自分で指定」を選んだ時に使う倍率です。 |
| ATR期間 | 10 | ATRの計算に使うローソク足の本数です。 |
| ATRの平均のとり方 | ワイルダー平滑 | ワイルダー平滑は、新しいローソク足の値動きを少しずつ混ぜていく平均です。単純平均(決めた本数をそのまま平均したもの)も選べます。 |
| 平均足の終値で計算する | false | 平均足は、始値・高値・安値・終値を平均して、細かい上下をならしたローソク足のことです。 |
| 矢印・通知を出すローソク足 | 確定したローソク足だけ(描き直さない) | 「作りかけのローソク足でも出す」も選べます。その場合は、確定するまでの間に矢印が消えることがあります。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ストップ線を表示/ストップ線の形 | true/線 | 線を点で描くこともできます。 |
| 買い側・売り側のストップ線の色/太さ | 水色・ピンク/2 | 線の色と太さを変えられます。 |
| 転換の矢印を表示/買い矢印・売り矢印の色/矢印の大きさ | true/緑・赤/2 | 矢印の表示と見た目です。 |
| 矢印に「買い」「売り」の文字を付ける | true | 文字の大きさと、文字を付ける範囲(直近の本数)も変えられます。 |
| ローソク足を向きで色分け | false | ローソク足を、向きに合わせて色分けします。チャートの拡大の具合によって、太さが合わないことがあります。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 状態パネルを表示 | true | 左上のパネルを出すかどうかです。 |
| パネルの時間足1・2・3 | 15分足・1時間足・4時間足 | パネルに向きを出す3つの時間足です。 |
| 左からの位置・上からの位置・パネルの文字サイズ | 10・25・9 | パネルの位置(ピクセル)と文字の大きさです。 |
| ポップアップで通知/音を鳴らす | true/true | 向きが切り替わった時にお知らせします。 |
| メールで通知/スマホへプッシュ通知 | false/false | MT4・MT5側の設定をしてから、trueにしてください。 |
使うときの注意点
- ATRストップは、過去の値動きから計算した目安なので、矢印が出たあとに、その方向に動き続けるとは限りません。
- 特に、上下に行ったり来たりする相場では、矢印が短い間に何度も出ることがあります。感度を下げると回数は減りますが、そのぶん、矢印が出るのは遅くなります。
- 作りかけのローソク足で矢印を出す設定では、確定するまでの間に、矢印が消えることがあります。
- ストップの線は損切りの目安で、その位置で価格が止まることを示すものではありません。
ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 一度出た矢印が、あとから消えることはありますか?
初期設定ではありません。矢印は確定したローソク足だけで出すので、一度出た矢印があとから消えることはありません。「作りかけのローソク足でも出す」設定にした場合は、確定するまでの間に矢印が消えることがあります。
Q. 矢印が多すぎるときは、どうすればいいですか?
パラメーターの「感度」を、標準(倍率2倍)や低感度(倍率3倍)に変えてください。倍率が大きいほど、線は価格から離れ、大きな流れの変わり目だけで切り替わります。そのぶん、矢印が出るのは遅くなります。
Q. パネルに出す時間足は変えられますか?
変えられます。パラメーターの「パネルの時間足1・2・3」で、好きな時間足を選べます。初期設定は、15分足、1時間足、4時間足です。
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まとめ
今回は、ATRトレーリングストップの考え方と、損切りの目安線を描く無料の「ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーター」を紹介しました。
ATRトレーリングストップは、価格から、ATRの何倍かだけ離れた位置に損切りの目安を置き、有利な方向に動いたらついていくように動かす方法です。ATRトレーリングストップ・損切りライン表示インジケーターを使えば、買い側・売り側のストップの線と転換の矢印がチャートに描かれ、今の向きやほかの時間足の向きをパネルで確認できます。
ATRトレーリングストップをチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。



