チャートの値動きは、細かく上下しながら進んでいきます。その細かな上下をならして、価格の流れをなめらかな線で表し、その上下に帯を描く方法のひとつが、ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーターです。
この記事では、ナダラヤ・ワトソン エンベロープの考え方と、線と帯の出し方、そして「再描画あり」と「確定足のみ」の違いを、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、なめらかな線と帯を描く「ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーターは、ナダラヤ・ワトソン回帰という方法で価格の流れをなめらかな線にして、その上と下に帯を描くものです。
- 線は、計算するローソク足に近いものほど重く、離れるほど軽く扱って平均します(ガウシアンカーネル)。
- 帯の幅は、価格と線の離れ方の平均の3倍(初期設定)です。終値が帯を抜けると矢印が出ます。
- 計算方法は「再描画あり」と「確定足のみ」から選べます。初期設定の再描画ありでは、過去の線と矢印があとから描き直されます。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_NWEnvelope.ex4/MT5版 MAM_NWEnvelope.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | 上の帯と下の帯、中心線(初期設定はオフ)、帯を抜けたときの買い・売りの矢印 |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(ローソク足が確定して、矢印が出たとき) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
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ナダラヤ・ワトソン エンベロープとは?
名前の意味
ナダラヤとワトソンは、この計算方法を考えた、2人の統計学者の名前です。エンベロープは、封筒という意味の英語で、価格を上下から包むように引いた帯のことです。

ナダラヤ・ワトソン回帰
このインジケーターは、ナダラヤ・ワトソン回帰という方法で、価格の流れを表すなめらかな線を出し、その上と下に帯を描きます。回帰とは、ばらばらに動く値の中から、その流れを表す線を推定する方法のことです。

線の出し方
移動平均線との違い
考え方は、移動平均線に近いものです。移動平均線は、たとえば直近20本の終値を、すべて同じ扱いで平均します。
ナダラヤ・ワトソン回帰では、平均を取るときに、加重という方法を使います。加重とは、値ごとに、どれくらい重く扱うかを変えることです。

ガウシアンカーネル
このインジケーターでは、計算するローソク足に近いものほど重く、離れるほど軽く扱います。離れるにつれて、なだらかに軽くなっていくこの扱い方を、ガウシアンカーネルといいます。

なめらかさ8のときの重さ
初期設定のなめらかさは8です。この場合、計算するローソク足そのものを1とすると、8本離れたローソク足は約0.6、16本離れると約0.14、24本離れると約0.01の重さになり、それより離れると、ほとんど影響しなくなります。こうすることで、移動平均線よりも、なめらかな曲線になります。

帯の幅とシグナル
帯の幅の決め方
帯の幅は、価格がこの線から、平均でどれくらい離れているかで決まります。
たとえば、ドル円の1時間足で、線が158円00銭、価格と線の離れ方の平均が10銭だったとします。初期設定では、その3倍の幅を取るので30銭です。上の帯は158円30銭、下の帯は157円70銭になります。

帯の外に出たときのシグナル
一般的に、価格が帯の外に出たときは、いつもより大きく離れた状態で、線のほうへ戻りやすい、という見方をします。そこでこのインジケーターでは、終値が上の帯を上に抜けたら売り、下の帯を下に抜けたら買いのシグナルを出します。

再描画ありと確定足のみの違い
ここは、とても大事な点です。このインジケーターには、「再描画あり」と「確定足のみ」の2つの計算方法があります。初期設定は、再描画ありです。
計算方法1:再描画あり(初期設定)
再描画ありでは、あるローソク足の線を出すときに、そのローソク足より前だけでなく、後ろのローソク足も使って平均します。前後の両方を使うので、とてもなめらかな線になります。

ただし、一番新しいあたりのローソク足は、まだ後ろのローソク足がありません。新しいローソク足ができるたびに、後ろのデータが増えるので、直近50本くらいの線が、計算し直されます。

描き直しの例
たとえば、今の線が158円20銭のところで、そのあと価格が下がっていくと、同じ場所の線が、158円10銭のように、あとから下へ描き直されることがあります。帯の幅も、直近500本全体から計算するので、ローソク足が増えるたびに、少しずつ変わります。
線が描き直されると、矢印も描き直されます。一度出た矢印が消えたり、あとから別の場所に出たりします。

過去のチャートを見ると、高値や安値のすぐ近くに、矢印が並んで見えることがありますが、それは、あとから描き直された結果です。

計算方法2:確定足のみ
もう1つの確定足のみでは、あるローソク足の線を、そのローソク足と、それより前だけで計算します。帯の幅も、そのローソク足から過去500本で計算します。そのため、確定したローソク足の線と矢印は、あとから変わりません。その代わり、線は再描画ありよりも、値動きに少し遅れて動きます。
過去の矢印を見るときは確定足のみ、なめらかな形を見るときは再描画あり、という違いがあります。

MT4とMT5の両方に対応
ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
上の帯と下の帯
下の画像は、初期設定の再描画ありの画面です。ローソク足の上にある緑の線が上の帯、下にある赤の線が下の帯です。帯は、直近500本の範囲に描かれます。

中心の線は、初期設定では表示されません。パラメーターでオンにすると、帯の真ん中に、灰色の点線で表示されます。
買いと売りの矢印
- 終値が下の帯を下に抜けると、ローソク足の下に緑の上向き矢印が出ます。これが、買いのシグナルです。
- 終値が上の帯を上に抜けると、ローソク足の上に赤の下向き矢印が出ます。これが、売りのシグナルです。

矢印は、確定したローソク足で判定します。ただし、再描画ありでは、帯そのものが描き直されるので、さきほど説明したように、矢印も描き直されます。
パラメーターで計算方法を確定足のみにすると、線の形が変わり、帯は直近1000本の範囲に描かれます。
通知の機能
ローソク足が確定して、そのローソク足に矢印が出たときに、通知が届きます。通知には、通貨ペア、時間足、買いか売りか、そのときの価格が入ります。
通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。初期設定では、ポップアップと音がオンです。
再描画ありでは、通知が届いたあとに、その矢印が描き直されて、消えることがあります。
ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「NWEnvelope.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_NWEnvelope.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_NWEnvelope」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「NWEnvelope_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_NWEnvelope.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_NWEnvelope」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 計算方法 | 再描画あり | 「確定足のみ」も選べます。確定足のみにすると、確定したローソク足の線と矢印はあとから変わりません。 |
| なめらかさ | 8.0 | 大きくするほど、ゆるやかな線になります。 |
| 帯の幅(平均のずれの倍率) | 3.0 | 価格と線の離れ方の平均の何倍を帯の幅にするかです。大きくすると帯が広がり、矢印の数は少なくなります。 |
| 計算に使う価格 | 終値 | 始値・高値・安値・中央値・代表値・加重終値も選べます。 |
| 計算する本数 | 500 | 再描画ありで帯を描く範囲と、離れ方の平均を取る本数です。 |
| 確定足のみモードで表示する本数 | 1000 | 確定足のみのときに帯を描く範囲です。 |
| 上の帯の色・下の帯の色・帯の太さ | LimeGreen・Red・2 | 帯の色と太さを変えられます。 |
| 中心線を表示・中心線の色 | false・Gray | trueにすると、帯の真ん中に灰色の点線で中心線を表示します。 |
| 矢印を表示・買い矢印の色・売り矢印の色・矢印の大きさ | true・Lime・Red・2 | 矢印の表示と色、大きさを変えられます。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ポップアップで通知・音を鳴らす | true・true | 矢印が出たときに、ポップアップと音でお知らせします。 |
| 音ファイル名 | alert.wav | MT4・MT5のSoundsフォルダにあるwavファイルの名前です。 |
| メールで通知・スマホへプッシュ通知 | false・false | 使うものをtrueにします。メールとプッシュ通知は、MT4・MT5側の設定が必要です。 |
使うときの注意点
- 再描画ありの、過去の線と矢印は、あとから描き直された形です。その場で同じように出ていたとは限りません。過去の矢印の出方を確かめるときは、確定足のみに切り替えて見てください。
- 価格が帯の外に出ても、線のほうへ戻るとは限りません。強いトレンドのときは、帯の外で動き続けることもあります。
- 再描画ありでは、通知が届いたあとに、その矢印が描き直されて消えることがあります。
- 時間足や設定によって、帯の形や矢印の数も変わります。
ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 一度出た矢印が、あとから消えることはありますか?
初期設定の再描画ありでは、あります。線と帯が描き直されるので、矢印も消えたり、あとから別の場所に出たりします。パラメーターの計算方法を確定足のみにすると、確定したローソク足の線と矢印はあとから変わりません。
Q. 中心の線は表示できますか?
できます。初期設定では表示されませんが、パラメーターの「中心線を表示」をtrueにすると、帯の真ん中に灰色の点線で表示されます。
Q. 矢印の数を減らすことはできますか?
できます。パラメーターの「帯の幅(平均のずれの倍率)」を大きくすると、帯が広がり、矢印の数は少なくなります。
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まとめ
今回は、ナダラヤ・ワトソン エンベロープの考え方と、なめらかな線と帯を描く無料の「ナダラヤ・ワトソン・エンベロープインジケーター」を紹介しました。
ナダラヤ・ワトソン エンベロープは、近いローソク足ほど重く扱って平均したなめらかな線と、その上下の帯で、価格の流れと離れ方を表すものです。計算方法には再描画ありと確定足のみがあり、なめらかな形を見るときは再描画あり、過去の矢印を見るときは確定足のみ、という違いがあります。
ナダラヤ・ワトソン エンベロープをチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。



