AMWT(Adaptive Market Wave Theory)は、相場が今どの局面にあるのかを「感覚」や「裁量」ではなく、確率と統計で判定するために開発された高機能インジケーターです。
従来のエリオット波動やチャートパターン分析のように、人によって解釈が分かれる手法とは異なり、相場を複数の状態に分類し、その状態遷移を数値として扱います。AMWTでは、Hidden Markov Modelと呼ばれる統計モデルを用いて、トレンド相場なのかレンジ相場なのか、あるいは転換期なのかをリアルタイムで推定します。
さらに、複数の分析ロジックを同時に走らせ、それらの合意によってシグナルを生成するため、ダマシが起きやすい相場環境を自動的に回避しやすい設計になっています。
TradingView上で無料で利用できるオープンソーススクリプトでありながら、プロ向けの思想が詰め込まれている点が大きな特徴です。
Adaptive Market Wave Theoryの使い方
AMWTの基本的な使い方は、まず現在の相場がどの「状態」に分類されているかを確認することから始まります。このインジケーターでは、相場を6つの状態に分類しています。
強い上昇トレンドを示すIMPULSE_UP、強い下落トレンドを示すIMPULSE_DN、トレンド中の押し目や戻りにあたるCORRECTION、安値圏でのACCUMULATION、高値圏でのDISTRIBUTION、方向感が定まらないTRANSITIONです。
現在の状態はダッシュボード上に表示され、それぞれの状態には確率が割り当てられます。
たとえば「上昇トレンド状態である確率が78%」といった形で数値化されるため、今がトレンドフォローに適した局面なのか、それとも様子見すべき局面なのかを客観的に判断できます。
トレンド相場と判定された場合は順張り戦略、CORRECTIONやTRANSITIONの確率が高い場合は無理なエントリーを控えるといった使い方が可能です。
また、AMWTは、トレンド系、逆張り系、構造分析系という3つの独立した分析エージェントを同時に稼働させています。それぞれが相場を異なる視点から分析し、その結果を統合することで、特定の手法に偏らないシグナルを生成します。相場がレンジに近いと判断された場合や、チョップ相場と検出された場合には、シグナル自体が抑制されるため、無駄なトレードを減らしやすくなります。
さらに、出来高の急増やストップ狩りといった流動性イベントが発生したポイントでは、シグナルの信頼度が高く評価されます。これにより、なんとなく出たサインではなく、機関投資家の動きが絡みやすい場面を優先して狙うことができます。AMWTは、トレードチャンスを増やすというよりも、「やらなくていい相場」を見極めるためのインジケーターとして活用するのが理想的です。
Adaptive Market Wave Theoryのパラメーター設定

AMWTには多くのパラメーターがありますが、基本的な考え方はシンプルです。
まず重要なのがシグナルモードの設定です。
Aggressive、Balanced、Conservative、Institutionalの4つが用意されており、シグナルの頻度と質のバランスを調整できます。初心者や検証段階ではBalanced、精度を重視したい場合はConservativeを選ぶのがおすすめです。
次に、チョップ検出のしきい値です。
この数値を高く設定するほど、レンジ相場や方向感のない相場でのシグナルが抑制されます。無駄なエントリーを減らしたい場合は、デフォルトよりやや厳しめに設定すると効果的です。
シグナルグレードのフィルターも重要な設定項目です。
AMWTでは、シグナルごとにA+、A、B、Cといった評価が付与されます。高品質なシグナルだけを表示したい場合は、A以上に制限することで、トレード回数を抑えつつ精度を高めることができます。
その他にも、ATRを基準にした利確目標や損切り幅、セッション判定の有無など、細かい調整が可能です。ただし、最初からすべてを調整しようとすると複雑になりやすいため、まずは初期設定のまま相場観察に使い、徐々に自分のトレードスタイルに合わせて調整していくのが現実的です。
AMWTは、トレンド相場かレンジ相場かを自動で判別し、確率に基づいた判断を可能にするための強力な補助ツールとして活用できます。




