平均足スムーズドは、通常の平均足よりもさらにノイズを抑えた表示ができるため、トレンドの方向を確認する用途で広く使われています。
ただ、実際に導入しようとすると必ずぶつかるのが「メインチャートのローソク足が見えなくなる」という問題です。平均足スムーズドはメインチャートに重ねて表示するものが多く、ローソク足の実際の値動きや、他のインジケーターと重なってしまいます。
そこで本記事では、平均足スムーズドをMT4のサブウィンドウに表示し、さらに短期・中期・長期の3本を同時に確認できるインジケーターを紹介します。メインチャートはローソク足のまま残せるので、普段の環境を崩さずに導入できます。
※こちらのインジケーターは下記からダウンロードいただけます。

平均足スムーズドをサブウィンドウに表示するメリット

まず、なぜサブウィンドウなのかを整理しておきます。
ローソク足の値動きをそのまま残せる
平均足は「前の足の始値と終値の平均」を使って計算されるため、実際の価格とはズレます。特に平均足スムーズドは移動平均で二重に平滑化しているため、なめらかな反面、実際にどこで反発したのかは読み取れません。
サブウィンドウに分ければ、メインチャートで実際の値動きを、サブウィンドウでトレンドの方向を、同時に確認できます。

エントリー価格や損切り位置はローソク足を見て決め、方向はサブウィンドウで判断する、という使い分けが可能になります。
他のインジケーターと干渉しない
メインチャートに移動平均線やボリンジャーバンド、水平線などを置いている場合、そこに平均足スムーズドを重ねると画面が一気に見づらくなります。
サブウィンドウなら領域が完全に分かれるため、メインチャート側の環境をそのまま維持できます。

すでに自分の手法が固まっている方ほど、この形のほうが導入しやすいはずです。
方向の判断だけに集中できる
サブウィンドウは価格軸から切り離されているため、「今いくらか」という情報が入ってきません。これは一見デメリットに見えますが、方向の判断に集中できるという意味ではメリットになります。

価格を見ていると、どうしても「ここまで下がったから買いたい」という気持ちが入ります。サブウィンドウは色と傾きしか表示しないので、そうした判断が入り込みにくくなります。
紹介するインジケーターの構成

今回紹介するのは、サブウィンドウに3種類の期間の平均足スムーズドをまとめて表示するタイプのインジケーターです。
短期:実体とヒゲのあるローソク形状
短期の平均足スムーズドは、実体とヒゲを持つローソク足の形で描かれます。線ではなくローソク形状なので、通常の平均足と同じ感覚で読めます。

実体の太さとヒゲの太さは、それぞれ個別に設定できます。陽線・陰線の色分けにも対応しています。
中期・長期:線で重ねて表示
中期(初期値50)と長期(初期値100)の平均足は、実体の中心を結んだ線として同じサブウィンドウに重ねて描かれます。

この線も方向によって色が変わります。上向きなら陽線の色、下向きなら陰線の色です。線の太さと線種(実線・破線・点線など)も変更できます。
1つのサブウィンドウにまとまる
短期・中期・長期をそれぞれ別のインジケーターで表示すると、サブウィンドウが3つに増えてチャートが縦に圧迫されます。
このインジケーターは1つのサブウィンドウにすべてを描画するため、画面を占有しません。3本の位置関係も同じ枠内で比較できます。
3本を同時に見ると何が分かるか
期間の違う平均足を並べる目的は、トレンドの「向き」だけでなく「揃い方」を見ることにあります。
3本すべてが同じ色のとき

短期・中期・長期がすべて同じ方向を向いている状態です。相場の方向感が一致している局面で、トレンドフォローが機能しやすい環境と判断できます。
短期だけ色が変わったとき

中期・長期は同じ方向のまま、短期だけが逆の色になった状態です。一般的には押し目や戻りとして解釈される場面で、トレンド方向への再進行を待つ判断につながります。
中期と長期がねじれているとき
中期と長期が逆方向を向いている状態です。方向感が定まっていない可能性がある局面と考えられます。無理に方向を決めず、様子を見る判断もひとつです。
使ううえでの前提
平均足スムーズドは、値動きのブレをならしてから描画する仕組みのため、実際の値動きから遅れて反応します。色が変わった時点では、すでに一定の値幅が出ていることがあります。
方向を確認するための道具として使い、エントリーや決済のタイミングはローソク足やほかの根拠と合わせて判断してください。
パラメータの説明
設定項目はすべて日本語表記です。主なものを紹介します。
色・太さの設定

- 陽線の色:初期値 DodgerBlue
- 陰線の色:初期値 Red
- 背景色(不要部分の塗りつぶし):初期値 White ※後述
- 短期 実体の太さ:初期値 3(1〜5)
- 短期 ヒゲの太さ:初期値 1(1〜5)
短期の平均足スムーズド

- 平滑移動平均の種別:0=SMA/1=EMA/2=SMMA/3=LWMA(初期値 2)
- 短期の平均足の期間:初期値 4
種別の初期値であるSMMA(平滑移動平均)は、一般的な平均足スムーズドで使われる設定です。反応を早くしたい場合はEMA、より滑らかにしたい場合は期間を伸ばして調整します。
中期・長期の設定

- 中期を表示:初期値 true
- 中期の平均足の期間:初期値 50
- 長期を表示:初期値 true
- 長期の平均足の期間:初期値 100
- 線の太さ:初期値 1(1〜5)
- 線種:0=実線/1=破線/2=点線/3=一点鎖/4=二点鎖(初期値 2)
中期・長期は個別にオフにできます。短期だけをサブウィンドウに出したい場合は、両方をfalseにしてください。
基準線(0ライン)の設定

- 0ラインを置く安値の参照期間:初期値 50
- 0ラインと最安値の余白(ポイント):初期値 10
サブウィンドウは価格軸を持たないため、直近50本の最安値を基準にして、そこから相対的な高さで描画しています。この値を大きくすると基準がゆっくり動き、小さくすると画面内で大きく動くようになります。通常は初期値のままで問題ありません。
導入時に必ず確認してほしい設定
ひとつだけ、先に確認していただきたい項目があります。
このインジケーターは、ローソク足の形を作るために実体より下の部分を背景色で塗りつぶすという描画方法を使っています。そのため背景色の設定がチャートと合っていないと、ローソク足の下に不要な帯が表示されてしまいます。
初期値はWhite(白)です。黒背景のチャートをお使いの場合は、Blackに変更してください。ここさえ合わせれば、きれいなローソク形状で表示されます。
インストール方法
- MT4を起動し、メニューの「ファイル」→「データフォルダを開く」をクリックします
- 「MQL4」→「Indicators」フォルダに、インジケーターのファイルを入れます
- MT4を再起動します
- ナビゲーターの「インディケータ」に表示された名前を、チャートにドラッグ&ドロップします
チャート下部にサブウィンドウが追加され、平均足スムーズドが表示されます。前述の「背景色」だけ設定したら、あとは初期設定のまま使えます。
よくある質問
メインチャート表示のものとどちらがいいですか
すでに自分の手法が固まっていて、メインチャートに他のインジケーターを置いている方にはサブウィンドウ表示が向いています。逆に、平均足スムーズドだけで判断したい方はメインチャート表示のほうがシンプルです。
メインチャート表示のタイプについては、下記の記事でまとめて紹介しています。
【FX】平均足スムーズドを3本表示できるおすすめのインジケーター8選
サブウィンドウの高さは変えられますか
MT4の標準機能で変更できます。サブウィンドウとメインチャートの境界線をドラッグしてください。
時間足は何が向いていますか
特定の時間足に依存する設計ではないため、すべての時間足で使用できます。ただし平均足スムーズドは平滑化の性質上、短い時間足ほど遅れが目立ちやすくなります。まずは1時間足あたりで表示して、動きを確認してみてください。
MT5でも使えますか
本インジケーターはMT4専用です。
ダウンロード方法はこちら
本記事で紹介したサブウィンドウ表示の平均足スムーズドは、下記のページからご確認いただけます。

導入手順・パラメータの詳細・設定例についても、リンク先にまとめています。
まとめ
今回は、MT4のサブウィンドウに平均足スムーズドを表示するインジケーターを紹介しました。
サブウィンドウ表示の利点は、メインチャートのローソク足を残したまま、トレンドの方向だけを別枠で確認できるという点にあります。すでに使っているインジケーターや水平線と干渉しないため、環境を変えずに導入できます。
さらに短期・中期・長期の3本を1つのサブウィンドウにまとめて表示することで、方向が揃っているのか、ねじれているのかという相場の状態そのものが読み取れるようになります。
なお平均足スムーズドは平滑化された指標であり、実際の値動きから遅れて反応します。単独の売買根拠とせず、ローソク足やほかの根拠と組み合わせてご活用ください。相場に絶対はありませんので、最終的な売買判断はご自身の責任でお願いいたします。



