FXにおける手法とは、取引ルールのことを指します。
FXはボタン一つで取引が可能ですが、闇雲に取引をしていても安定的な利益を出し続けることはできません。多くのトレーダーは、取引ルールを決め、自身に合った手法を身に着けることによって継続的な利益を生み出しています。そのため、これからFXを始める初心者の方は、FXにおける手法とは何かを身に着け、しっかりと理解したうえで始める必要があります。
本記事では、FXの手法について解説し、初心者でも使えるシンプルな手法を紹介します。
FXの手法とは?わかりやすく解説
FXの取引における手法とは、取引ルールのことを指します。具体的にはトレードスタイルやチャートの分析方法などは、FXの手法として一括りされています。
資産を増やしているトレーダーは、これらの手法を自身のトレードスタイルに合うように研究し、確立することで相場に翻弄されない『冷静なトレード』を実現できたり、『再現性の高いトレード』を実現できたりするのです。反対に手法を理解できていないと、いざエントリーをしたとしても『不安になる』ことや、『勝率が安定しない』など、取引すればするほど負ける状況に陥ってしまいます。
手法を学ぶことは、このような初心者にありがちな負けをなくす第一歩にもなるため、取引をする前には身に着けることが大切です。
FXで売買する際の方法は2種類
FXで売買する際の方法には、大きく分けると『順張り』と『逆張り』の2種類があります。
- 順張り
- 逆張り
順張り
順張りとは、相場の流れに沿ったポジションを保有することで、『トレンドフォロー』と呼ばれることもあります。
上昇トレンドの相場では、『ロングポジション』を保有します。反対に下降トレンドでは、『ショートポジション』を保有するのが順張りで取引する流れです。
順張りは、上がり続けている相場の押し目でロングポジションを握るだけ(逆はショートポジション)なので、ダマシにも遭いにくく、FX初心者にとっても比較的取引しやすい売買方法と言われています。
逆張り
逆張りとは、相場の流れに逆らったポジションを保有することを言い、順張りとは逆の方法となります。
上昇トレンドの相場では、ある一定のポイントまで到達したら『ショートポジション』を保有し、下降トレンドの相場では『ロングポジション』を保有するのが一般的です。
相場の流れに逆らった方法なので、しっかりと知識を身につけなければ順張りよりも負けやすくなる特徴があります。FX初心者にとっては難易度が高いため、特別な理由がなければ順張りから始めるのがおすすめです。
FXのトレードスタイル4選
FXのトレードスタイルは、大きく分けると下記の4種類に分けられます。それぞれのトレードスタイルで特徴は異なり、トレーダーによって向き不向きがあるので、これから取引を始めようとしている方は、どのスタイルが適しているのか見つける必要があります。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- ポジショントレード
それぞれのスタイルで使用する時間軸は下記の通りです。
スキャルピング
スキャルピングとは、数秒から数分までの短時間でエントリーから決済までを完結させるトレードスタイルのことです。
短時間で完結するため、値幅も細かく取るのが特徴であり、スキャルピングトレーダーの多くは1日に何度も取引を繰り返すケースがほとんどです。
スキャルピングは、資金の回転率も高く、資金が少ない方でも取引回数を増やせば利益を積み重ね続けることが可能なため、最も資金効率の良いトレードスタイルになります。ただし、FXには『スプレッド(取引手数料)』が存在するため、1回の取引の負担を抑えるためにもできる限りスプレッドの狭いFX会社を選定することが大前提です。
デイトレード
デイトレードは、その名の通り1日でエントリーから決済が完結するトレードスタイルのことです。日をまたいでポジションを保有する必要がないため、『スワップポイント』を支払わなくても済む点がメリットと言えます。
また、スキャルピングに比べてポジションの保有時間が長いため、上手くいけば値幅も大きく取れる特徴があります。FXの中でもスキャルピングは人気がありますが、それに次いでデイトレードも人気があるトレードスタイルとなります。
スイングトレード
スイングトレードは、数日から数週間程度のポジションを保有するトレードスタイルのことです。
比較的長い期間ポジションを保有することが多いため、こまめにチャートを確認する必要もありません。これらの特徴から専業トレーダーのみならず兼業トレーダーにもおすすめのトレードスタイルです。ただし、市場が活発な時間帯にポジションを保有することが多いため、大きな値動きに巻き込まれる可能性や、経済指標によって相場が急変動するケースもあるので、その点には注意が必要です。
このような値動きにも対応できるよう、多くのスイングトレーダーは1時間足や4時間足といった時間軸を使用し、大きな波で分析していることがほとんどです。
ポジショントレード
ポジショントレードとは、数週間から数か月、長い人で数年程度ポジションを保有するトレードスタイルのことです。
スイングトレードよりも長くポジションを保有するので、思い通りの方向に価格が動けば大きな利益が見込めることや、値動きに関係なくスワップポイントで利益を積み上げていくことも可能です。ただし、使用する時間軸は日足以上になるため、正しい分析ができないと大幅に損失を出してしまう恐れもあるのでその点には注意が必要です。
FXの相場分析手法
FXの相場分析手法には、大きく分けると『テクニカル分析』と『ファンダメンタルズ分析』の2種類があります。
- テクニカル分析
- ファンダメンタルズ分析
テクニカル分析
テクニカル分析とは、簡単に説明するとチャートを分析して相場の値動きを予想する手法のことです。
多くのトレーダーはテクニカル分析を活用しており、ローソク足チャートやテクニカル指標などを用いています。その中でもテクニカル指標には幅広い種類があり、大きく分けると『トレンド系』と『オシレーター系』に分けられます。
- トレンド系
- オシレーター系
トレンド系
トレンド系は、相場の方向を予想する分析や、トレンドの強弱を測る際に活用される分析方法です。
主に『移動平均線』などのインジケーターを使用し、上昇トレンドが発生したときには買いのサインが出現し、逆の場合は売りのサインが出現します。
トレンド系のインジケーターを使用することで、チャート分析の補助役として活躍するため、より充実した分析がしやすくなるメリットがあります。ただし、買いや売りのサインが出現した瞬間に逆行する『だまし』も発生しやすいため、インジケーターだけを信じて取引するのは危険です。できる限り他の根拠も見つけながら幅広く分析し取引をする必要があります。
トレンド系では移動平均線を紹介しましたが、その他にも下記が代表的なテクニカル指標なので参考にしてください。
- 移動平均線
- DMI
- 一目均衡表
- フィボナッチ
オシレーター系
オシレーター系は、相場の『買われすぎ・売られすぎ』を分析するためのテクニカル指標です。
例えば、相場が上昇している際に、買われすぎと判断された場合には『売りサイン』が出現します。(逆の場合は買いサイン)
特徴としては、トレンドに対して逆張りを仕掛けるため、トレンド転換時には初動に乗れるメリットがあります。ただし、トレンド系と同様、『だまし』のリスクがあるため、あくまでも補助役として活用するのがおすすめです。
また、具体的にオシレーター系には、下記のテクニカル指標がありますので参考にしてください。
- RCI
- RSI
- MACD
- CCI
- ストキャスティクス
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析とは、チャートではなく政治情勢や経済政策など、国の通貨の価格に影響する要素を分析する手法です。
例えばUSD/JPY(ドル円)において、日本の利上げ観測が高まっている場合、金利差が縮まることから円が買われやすくなり、反対の場合はドルが買われやすくなります。また、米国の雇用統計や消費者物価指数などの指標は大きく動く傾向にあり、それらの経済指標を予想することもファンダメンタルズ分析と言えます。
テクニカル分析を使ったシンプルな手法4選
テクニカル分析を使ったシンプルな手法には、下記の4つがあります。
- ローソク足
- 移動平均線
- RSI
- ボリンジャーバンド
ローソク足
ローソク足とは、その名の通りローソクに似た形をしているチャートです。ローソク足はシンプルであり、一定期間の『始値・終値・高値・安値』を表したものとなっています。
下記にそれぞれの意味を記載しているので、そちらも参考にしてください。
始値(はじめね) | 単位期間の開始時の価格。寄付(よりつき)ともいわれる。 |
終値(おわりね) | 単位期間の終了時の価格。引け値(ひけね)ともいわれる。 |
高値(たかね) | 期間中もっとも価格が高かった価格。 |
安値(やすね) | 期間中もっとも価格が安かった値段。 |
そして、4つの価格をローソク足で表すと下記のようになります。
陽線は、『始値よりも終値の方が高いもの』を言い、陰線は『始値よりも終値の方が低いもの』を言います。陽線なら現在の時間軸では買われている、陰線なら売られていると判断できます。
ローソク足は一つひとつ更新され、価格推移を表したチャートがありますが、それを『ローソク足チャート』と一般的には呼ばれています。
具体的に下記のチャートで、横軸が時間、縦軸が価格で表されます。
多くのトレーダーは、ローソク足チャートを確認し、『形はどうなっているか』や『どのような確定をしているのか』などをチェックしながらトレードに役立てています。
移動平均線
移動平均線とは、一定期間の価格の平均値を線で結んだもので、価格のトレンドを視覚的に把握するために使われます。
移動平均線はシンプルなテクニカル指標であるため、多くのトレーダーが取引に活用しています。種類は幅広くありますが、大きく分けると下記の3種類であり、チャートでも紹介していますので参考にしてください。
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
- 加重移動平均線(WMA)
RSI
RSIとは、『相対力指数』と呼ばれ、価格の上昇と下降の勢いを比較することで、『買われすぎ・売られすぎ』を判断するために使われるテクニカル指標です。
数値は0~100%の間で推移し、70%以上は買われすぎ、30%以下は売られすぎと判断されることが多いです。また、MACDやADXなどのテクニカル指標と併用して使われることもあり、トレーダーによって使い方はさまざまです。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、価格の変動範囲を視覚的に示すテクニカル指標です。下記チャートがボリンジャーバンドをチャート上に表示させた場合の画像です。
ボリンジャーバンドの標準偏差が拡大(エクスパンション)している場合、その相場のボラティリティは高く、反対に収縮(スクイズ)している場合、ボラティリティは低い相場と判断できます。
FXの相場分析理論
FXでは、相場分析理論を活用することで、相場の流れを読むことが可能になります。その中でも代表的な相場分析理論には、下記の3つがあります。
- ダウ理論
- グランビルの法則
- エリオット波動
ダウ理論
ダウ理論は、チャールズ・ヘンリー・ダウによって提唱されたテクニカル分析の基礎理論です。相場のトレンドを分析・理解するための下記6つの基本法則に基づいています。
法則➀ | 平均は全ての情報を織り込む |
法則➁ | 市場には3種類のトレンド(短期・中期・長期)がある |
法則➂ | 主要トレンドは3つの段階で進行する(先行段階・追随段階・利食い段階) |
法則➃ | 平均は互いに確認し合わなければならない |
法則➄ | トレンドは出来高によって裏付けされるべきである |
法則➅ | トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する |
ダウ理論で相場を分析する際には、高値と安値を見抜くことが重要であり、正確に見抜くことができればトレンドフォローとしても役立てられますし、相場の転換点もわかるようになります。基本的にはチャート分析によってダウ理論を判断するのが良いですが、難しい場合には『ZigZag(ジグザグ)』といったインジケーターを活用する方法もあります。
エリオット波動
エリオット波動は、ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した市場の価格動向を分析する理論です。相場は周期的なパターンで動くとされており、FXの手法として数多くのトレーダーが活用しています。
エリオット波動の基本形は、『推進5波・修正3波』です。
下記の図は、上昇トレンドが発生した場合に、エリオット波動がどのように推移していくかを示した図になります。
1~5波までが推進波と呼ばれており、5波まで発生するのが一般的です。そして、A~Cの下落は修正波と呼ばれています。
修正波に関しては、3波までとなっていますが、必ずしもそうとは限りません。下落の際にも5波まで推移することがあるので、実際の相場では教科書通りには動かない場面も多々あるので注意が必要です。しかし、エリオット波動はチャート分析で数えることができれば、その後の価格を予想することができます。相場は動きがわかれば利益を出しやすくなるので、有効的な手法と言えるでしょう。
グランビルの法則
グランビルの法則とは、ジョセフ・グランビルが提唱した分析理論です。グランビルの法則では、移動平均線を使い、価格の位置関係を利用して、トレンドの発生や転換を見極めます。
そして、グランビルの法則には、下記『4つの買いの法則』と『4つの売りの法則』に分けられています。
【買いの法則】
法則➀ | 移動平均線が下向きから上向きに反転する時に価格がその上にある場合 |
法則➁ | 移動平均線が上昇中で、価格が移動平均線を下回ってから再び上昇し始めた時 |
法則➂ | 価格が移動平均線を下抜けるも、移動平均線が上向きのままの時 |
法則➃ | 移動平均線が下向きのままで、価格が大きく乖離した後に反発し始めた時 |
【売りの法則】
法則➀ | 移動平均線が上向きから下向きに反転する時に価格がその下にある場合 |
法則➁ | 移動平均線が下降中で、価格が移動平均線を上回ってから再び下落し始めた時 |
法則➂ | 価格が移動平均線を上抜けるも、移動平均線が下向きのままの時 |
法則➃ | 移動平均線が上向きのままで、価格が大きく乖離した後に反落し始めた時 |
FXの手法に関する注意点
ここまでFXの手法について紹介しましたが、取引する際には注意したいポイントが3つあります。
ナンピンに頼らない
ナンピンとは、保有しているポジションが逆行した場合、さらにロットを追加して平均取得単価を下げる取引方法のことです。
必ずしもナンピンが間違っているわけではありませんが、万が一追加したポジションがさらに逆行した場合、大きな含み損を抱える危険性もあります。特に、FX初心者にとってはリスクの高い取引手法となるため、ナンピンに頼る取引はできる限り避けるのがおすすめです。
両建てはしない
両建てとは、同じ通貨ペアで買いポジションと売りポジションの両方を保有することです。
両建てをすれば損失を抱える必要もなく、プラスの時に利確してしまえば資産が増え続けるため、魅力的な手法に思えるかもしれません。
しかし、両建てはスプレッドが二重に発生するほか、長くポジションを保有する場合はスワップポイントも支払わなければならないケースがあります。さらに、FX初心者にとってはどこで利確すべきか明確でないことが多いため、安全なように見えて高いリスクとなるのが両建なので、注意しましょう。
必ず利益を得られる手法は存在しない
FX取引において、必ず利益を得られる手法は存在しません。
期待値の高い取引を繰り返すことで、利益が増えていくイメージとなるため、手法だけに期待して取引するのは注意が必要です。
あくまでも手法は、トレードの補助として活用するイメージがおすすめとなりますので、過剰な期待はしないよう注意してください。
FXの手法に関する質問
FXの取引に関する質問で多く見受けられるものは、下記の3点です。
- FX初心者におすすめの手法はありますか?
- FXの手法にこだわらないほうがいいという人もいますが本当ですか?
- FX手法は1つに決めたほうがいいですか?
FX初心者におすすめの手法はありますか?
FX初心者にはシンプルな手法が適しています。
例えば、ローソク足や移動平均線を使ったテクニカル分析によるトレードが該当します。また、ボリンジャーバンドなど自分に合ったインジケーターを取り入れたり、ダウ理論やエリオット波動などの概念を用いて取引したりすることもおすすめです。
FXは1つの手法にこだわらないほうがいいという人もいますが本当ですか?
FX取引で使われる手法は世界中で数えきれないほどあります。そのため、特に初心者は次々と新しいものへ目移りし、色々試しがちです。しかし、結論を言えば、1つに絞ってトレードをするのが好ましいです。
その理由は、何もかも試していたら、どれも中途半端になってしまいます。また、手法によっては調整が必要なものもありますが、基本的には変えることなく使うのが好ましいといえます。
より実践的な手法を知りたいならToshiのPDFがおすすめ
FXの基本的な手法よりもワンランク上にステップアップしたいという方は、より実践的なものを学ぶのがおすすめです。実践的な手法は、トレードの経験によって生み出されるため、完成するまでに何回も取引を行う必要があります。もちろん、取引にはお金が必要になるため、完成するまでに多くの資金を溶かしながら自分に最適なものを探すことになるのです。
できるだけ資金を減らさずにより実践的な手法を学びたいという人は、ToshiのPDF手法を入手するのがおすすめです。このPDFには、相場分析方法や普段のトレードで専業トレーダーが使用している手法が無料で公開されています。FXTF※1さんとのキャンペーンから入手できるので、興味がある方は、下記からぜひ参加してみてください。
※1 FXTFは、ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社によって運営されています。ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社は、第一種金融商品取引業者です。関東財務局長(金商)第258号の許可を得た商品先物取引業者になります。加入協会は、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本暗号資産取引業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会です。
まとめ
今回は、FXの手法の概要や初心者でも使えるシンプルな取引手法について詳しく解説しました。これからトレードをするという方は、テクニカル分析を身に付けて、できるだけ小資金で取引を行うのがおすすめです。当然、取引にはリスクが伴うため、十分に注意しながらトレードを行うようにしましょう。
※当レポートに記載している投資対象や投資手法は元本や利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失が生じる場合がございます。 投資対象や取引の仕組およびリスクについて十分ご理解の上、お客様ご自身の判断と責任においてお取引いただきますようお願い申し上げます。
※レポート内容においては作成時点で得られる情報を元に、細心の注意を払って作成しておりますが、 その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。また、投資知識の学習のための参考となる情報の提供を目的としたもので、特定の銘柄や投資対象について、特定の投資行動や運用手法を推奨するものではありません。
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