チャートを見ていると、価格が直近の高値を上に抜けたあと、いったんその高値のあたりまで戻ってきて、また上に向かうことがあります。このように、ブレイクしたあとに、抜けたレベルまで戻ってくる動きを、リターンムーブといいます。
この記事では、レベル・ブレイク・リターンムーブの考え方と、どんな条件でリターンムーブを判定するのかを、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、ブレイクしたあとの戻りを自動で見つける「リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- リターンムーブとは、ブレイクしたあとに、価格がいったんレベルまで戻ってきて、そこで反発することです。
- 「リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーター」は、直近の高値と安値からレベルを見つけて、ブレイクとリターンムーブをATRを使った幅で自動で判定します。
- リターンムーブが出たローソク足に矢印を出し、レベルの線とブレイクした位置もチャートに描きます。
- チャートの左上のスキャナーで、複数の通貨ペアと時間足のリターンムーブをまとめて確認できます。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_BreakRetest.ex4/MT5版 MAM_BreakRetest.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | リターンムーブの矢印と「リターンムーブ」の文字、リターンムーブしたレベルの線、ブレイクした位置の丸、リターンムーブ待ちのレベルの点線、多通貨×多時間足のスキャナー |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(このチャートのリターンムーブ、このチャートのブレイク、スキャナーの全部の通貨ペアと時間足のリターンムーブ) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
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レベルとは?
レベルとは、チャートの中で、意識されやすい価格の線のことです。その代表が、直近の高値と安値です。

数字の例
たとえば、ドル円が158円50銭まで上がって、そこから下がったとします。この158円50銭は、そこで売りが増えて、上がるのが止まった価格です。そのため、次に価格が近づいたときにも、また止まりやすいと考えられています。

レジスタンスとサポート
このように、上がるのを止める価格をレジスタンス、反対に、下がるのを止める価格をサポートといいます。2つまとめて、サポレジと呼ぶこともあります。同じ価格で何度も止められていると、より強く意識されたレベル、という見方をします。

ブレイクとは?
ブレイクとは、価格がレベルを抜けることです。レジスタンスを上に抜けることを上抜け、サポートを下に抜けることを下抜けといいます。一般的には、上抜けすれば上方向、下抜けすれば下方向に動きやすい、という見方をします。

だまし
ただし、抜けたように見えても、すぐに戻ってきてしまうこともよくあります。これを、だましといいます。

リターンムーブとは?
そこで注目されるのが、リターンムーブです。リターンムーブとは、ブレイクしたあとに、価格がいったんレベルまで戻ってきて、そこで反発することです。

数字の例
たとえば、158円50銭のレジスタンスを上抜けしたあと、価格が158円80銭まで上がり、そこから158円50銭の近くまで戻ってきて、また上に向かったとします。このとき、158円50銭は、上がるのを止めていた価格から、下がるのを止める価格に変わった、と考えられます。
一般的には、ブレイクのあとにリターンムーブが入ると、ブレイクが本物だった目安の一つ、という見方をします。

リターンムーブの判定のしかた
判定の幅にはATRを使う
判定の幅には、ATRを使います。ATRは、アベレージ・トゥルー・レンジの略で、ローソク足1本の平均的な値幅のことです。初期設定では、14本のATRを使います。

レベルの見つけ方
左右5本ずつのローソク足より高い高値を、直近の高値としてレジスタンスにします。左右5本ずつより安い安値を、直近の安値としてサポートにします。右に5本のローソク足が確定して、はじめて高値や安値が決まるので、レベルができるのは5本あとです。

近い価格に、同じ種類のレベルがあるときは、1本にまとめて、タッチした回数を数えます。

ブレイクの判定
ローソク足の終値が、レベルをATRの0.1倍より大きく超えて確定したら、ブレイクとします。
たとえば、レジスタンスが158円50銭で、ATRが20銭なら、0.1倍は2銭です。終値が158円52銭を超えて確定したら、上抜けです。ヒゲだけ抜けても、ブレイクにはなりません。

リターンムーブの判定
ブレイクしたあと、まず価格が、レベルからATRの0.25倍より遠くまで、いったん離れる必要があります。ATRが20銭なら、0.25倍は5銭なので、安値が158円55銭より上のローソク足が出たら、離れたとみなします。
そのあと、ローソク足の安値が158円55銭以下まで戻ってきて、終値が158円50銭より上で、しかも陽線で確定したら、リターンムーブです。陽線とは、終値が始値より高いローソク足のことです。下抜けのリターンムーブは、その反対で、陰線で確定したときです。

レベルを終わりにするとき
もし戻ってきたときに、終値がレベルよりATRの0.1倍を超えて内側に入ったら、だましとして、そのレベルは終わりにします。さきほどの例なら、終値が158円48銭より下で確定したときです。
また、ブレイクから30本たってもリターンムーブが来なければ、そのレベルも終わりにします。
すべて確定したローソク足だけで判定するので、一度出た矢印は、あとから消えません。

MT4とMT5の両方に対応
リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
リターンムーブの矢印
上抜けのあとのリターンムーブは、ローソク足の下に青の上向き矢印、下抜けのあとのリターンムーブは、ローソク足の上に赤の下向き矢印です。矢印のさらに外側には、「リターンムーブ」という文字が、矢印と同じ色で表示されます。

レベルの線とブレイクの丸
矢印の近くにある横の線が、リターンムーブしたレベルの価格です。線は、レベルになった高値や安値のローソク足から、リターンムーブのローソク足まで引かれています。線の途中にある小さな丸は、ブレイクしたローソク足の位置です。
つまり、左から順に、レベルができたところ、ブレイクしたところ、リターンムーブしたところと読めます。レベルの線は、新しい方から30回分のリターンムーブに表示されます。

リターンムーブ待ちの点線
チャートの右端の点線は、ブレイクは済んでいて、まだリターンムーブを待っているレベルです。点線は、レベルができたローソク足から、今のローソク足の少し右まで伸びて、右端に「リターンムーブ待ち」と表示されます。上抜けしたレベルは青、下抜けしたレベルは赤です。この点線にも、ブレイクしたローソク足に小さな丸が付きます。
スキャナーの見方
表の並び
チャートの左上にあるスキャナーは、たくさんの通貨ペアと時間足で、直近のリターンムーブを探して、表にまとめる機能です。
表の一番上の帯の右端には、ボタンが2つあります。横線のボタンを押すと、表をたたんで、帯だけの小さな表示にできます。バツのボタンを押すと、このインジケーターをチャートから削除します。
表の左の列には、通貨ペアの名前が並びます。右側には、時間足が4つ並んでいます。M15は15分足、H1は1時間足、H4は4時間足、D1は日足です。

マスの見方
- 青の上向きの三角と数字は、上抜けのあとのリターンムーブです。
- 赤の下向きの三角と数字は、下抜けのあとのリターンムーブです。
- 数字は、そのリターンムーブが何本前のローソク足で出たかを表します。たとえば1なら、一番新しい確定したローソク足で出たリターンムーブです。初期設定では、5本前までのリターンムーブが表示されます。
- 「待」の文字は、ブレイクは済んでいて、リターンムーブを待っているレベルがある、という意味です。
- 横線は、直近のリターンムーブも、リターンムーブ待ちのレベルもない状態です。
- 点が3つのマスは、データを読み込んでいる途中です。バツのマスは、その通貨ペアが見つからなかったことを表します。

表は、初期設定では3秒ごとに確認して、新しいローソク足ができたマスだけ計算し直します。
クリックでチャートを開く
通貨ペアの名前をクリックすると、その通貨ペアのチャートが、今の時間足で開きます。マスをクリックすると、そのマスの時間足でチャートが開きます。たとえば、ユーロポンドの15分足のマスを押せば、ユーロポンドの15分足のチャートが開きます。開き方は、新しいチャートを開くか、今のチャートを切り替えるかを選べます。
ページ送りと色の切り替え
通貨ペアが多いときは、ページ番号の左右にある矢印で、前のページ、次のページに送れます。初期設定では、1ページに12の通貨ペアが並びます。表の一番下の帯の右端にあるボタンを押すと、ダークとライトの色を切り替えられます。

表に並ぶ通貨ペア
表に並ぶのは、初期設定では、気配値表示にある通貨ペアです。読み込む数の上限は、15、25、45から選べて、初期設定は25です。通貨ペアを、カンマで区切って自分で入力することもできます。ブローカーによって、通貨ペア名の前や後ろに記号が付く場合は、パラメーターの接頭辞と接尾辞に、その記号を入れてください。
通知の機能
通知は3種類あります。
- このチャートでリターンムーブが出たとき
- このチャートで、レベルをブレイクしたとき
- スキャナーの全部の通貨ペアと時間足で、リターンムーブが出たとき
通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。種類は、1つ目だけが初期設定でオンです。ただし、通知の方法は初期設定ですべてオフなので、使うときは、パラメーター設定で受け取りたい通知の方法をオンにしてください。通知する向きは、両方か、上抜けのリターンムーブだけ、下抜けのリターンムーブだけから選べます。
リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「BreakRetest.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_BreakRetest.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_BreakRetest」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「BreakRetest_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_BreakRetest.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_BreakRetest」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 高値・安値の判定(左右に何本ずつ比べるか) | 5 | 数を増やすと、より大きな高値と安値だけがレベルになります。 |
| 対象にする最低タッチ回数 | 1 | 1は直近の高値と安値もすべて対象です。2以上にすると、何度も止められたサポレジだけが対象になります。 |
| 判定の幅の基準にするATRの期間 | 14 | ブレイクとリターンムーブの幅を決めるATRの期間です。 |
| ブレイクとみなす幅 | ATRの0.1倍 | 終値がレベルをこの幅より大きく超えたらブレイクです。 |
| リターンムーブとみなす幅 | ATRの0.25倍 | レベルからこの幅以内まで戻ったらリターンムーブの候補です。 |
| ブレイク後、リターンムーブを待つ最大本数 | 30 | この本数を過ぎてもリターンムーブが来なければ、そのレベルは終わりです。 |
| リターンムーブのローソク足が反発の向きの時だけ | true | 上抜けは陽線、下抜けは陰線をリターンムーブの条件にします。 |
| レベルを有効にしておく本数 | 300 | これより古いレベルは使いません。 |
| 計算するローソク足の本数 | 3000 | チャートで計算する本数です。 |
| 上抜け・下抜けのリターンムーブの色、矢印の大きさ | DodgerBlue・Tomato/2 | 矢印と線の色、矢印の大きさを変えられます。 |
| レベルの線を描くリターンムーブの数(新しい順) | 30 | レベルの線を表示するリターンムーブの数です。 |
| 「リターンムーブ」の文字/リターンムーブ待ちのレベルを点線で表示 | true/true | 文字と点線を表示しないこともできます。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 多通貨スキャナーを表示 | true | falseにすると、表を出さずにチャートの表示だけにできます。 |
| 銘柄の選び方・読み込む銘柄の最大数 | 気配値表示の銘柄・25銘柄 | 手入力した銘柄(カンマ区切り)も選べます。最大数は15、25、45から選べます。 |
| 銘柄名の接頭辞・接尾辞 | 空欄 | ブローカーによって通貨ペア名の前後に付く記号(例:# や .m)を入れます。 |
| スキャンする時間足1〜4 | 15分足・1時間足・4時間足・日足 | 表に並べる4つの時間足を変えられます。 |
| スキャナーで調べるローソク足の本数 | 400 | 通貨ペアと時間足ごとに調べる本数です。 |
| 表に出すリターンムーブ(何本前までのものか) | 5 | これより前のリターンムーブは表に出しません。 |
| 色・表の位置 | ダーク・20・20 | ライトも選べます。位置はピクセルで指定します。 |
| 1ページに表示する銘柄数 | 12 | これより多いときは、ページ送りで表示します。 |
| マスをクリックした時の開き方 | 新しいチャートを開く | 「このチャートを切り替える」も選べます。 |
| スキャンの間隔(秒) | 3 | 表を確認する間隔です。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ポップアップ・音・メール・プッシュ通知 | すべてfalse | 使うものをtrueにします。メールとプッシュ通知は、MT4・MT5側の設定が必要です。 |
| 通知する向き | 両方 | 上抜けのリターンムーブだけ、下抜けのリターンムーブだけにも絞れます。 |
| このチャートのリターンムーブを通知 | true | このチャートでリターンムーブが出たときにお知らせします。 |
| このチャートでレベルをブレイクした時も通知 | false | trueにすると、ブレイクしたときにもお知らせします。 |
| スキャナーの全銘柄・全時間足のリターンムーブを通知 | false | trueにすると、スキャナーのすべての通貨ペアと時間足のリターンムーブをお知らせします。 |
使うときの注意点
- 矢印は、リターンムーブのローソク足が確定したあとに出ます。
- スキャナーは、調べる本数がチャートより少ないので、古いレベルの扱いが、チャートの表示と違うことがあります。
- リターンムーブの矢印が出ても、その方向に動き続けるとは限りません。リターンムーブのあとに、レベルの反対側へ戻ってしまうこともあります。
- レベルができるのは、高値・安値の右に5本のローソク足が確定したあとです。
- 判定は確定したローソク足だけで行うので、一度出た矢印が、あとから消えることはありません。
リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 一度出た矢印が、あとから消えることはありますか?
ありません。すべて確定したローソク足だけで判定するので、一度出た矢印があとから消えることはありません。
Q. 何度も止められたサポレジだけを対象にできますか?
できます。パラメーターの「対象にする最低タッチ回数」を2以上にすると、何度も止められたサポレジだけが対象になります。初期設定の1では、直近の高値と安値もすべて対象です。
Q. スキャナーとチャートで表示が違うことがあるのはなぜですか?
スキャナーは、調べる本数(初期設定で400本)がチャート(初期設定で3000本)より少ないためです。古いレベルの扱いが、チャートの表示と違うことがあります。
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まとめ
今回は、レベル・ブレイク・リターンムーブの考え方と、ブレイクしたあとの戻りを自動で見つける無料の「リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーター」を紹介しました。
リターンムーブは、ブレイクしたあとに、価格がいったんレベルまで戻ってきて、そこで反発することです。リターンムーブ・押し目戻り目検出インジケーターを使えば、ATRを使った幅でブレイクとリターンムーブを判定して、リターンムーブの矢印とレベルの線がチャートに描かれ、複数の通貨ペアと時間足のリターンムーブをスキャナーで確認できます。
ブレイクとリターンムーブをチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。



