Correlation Heatmapとは、指定した複数銘柄の「週次または月次のリターン」を基準に相関係数を算出し、相関行列(コリレーションマトリクス)をヒートマップ付きの表で表示するTradingViewインジケーターです。相関分析は、FX・株・暗号資産など異なる市場を横断してトレードやポートフォリオを組む際に非常に役立ちます。
たとえば、同じ方向に動きやすい銘柄同士を同時に持つと実質的にリスクが偏りやすくなり、反対に動きやすい銘柄を組み合わせるとリスク分散につながることがあります。本インジケーターは、複数銘柄の相関を一目で把握できるように、ペアごとの相関係数(ピアソン相関係数)を計算し、正の相関は青系、負の相関はオレンジ系、相関が弱い(0付近)は白に近い色合いで直感的に可視化します。相関係数は-1から1の範囲を取り、1に近いほど「ほぼ同じ方向に動く」、-1に近いほど「逆方向に動く」、0に近いほど「関係が薄い」ことを意味します。重要なのは、相関は“原因”を示すものではなく、また将来も同じ関係が続く保証はない点です。あくまで「指定した期間のデータを基にした関係性の推定」であり、相場環境が変われば相関が弱まったり逆転したりすることもあります。
Correlation Heatmapは、こうした前提を踏まえつつ、銘柄間の関係性を整理して判断材料を増やすための分析ツールとして活用できます。さらに本インジケーターは、異なる市場・セッションを持つ銘柄同士でも相関を正しく比較できるように、週次または月次の“時間が揃ったリターン”を取得する工夫が入っています。市場ごとに日足バーが確定する時間が異なると、単純比較では相関が歪む可能性がありますが、本インジケーターはその問題を避けるために、時間整列されたデータを使って相関を算出する設計になっています。
Correlation Heatmapの使い方
使い方はシンプルで、まずTradingViewでCorrelation Heatmapをチャートに追加し、設定画面の「Symbol list」に比較したい銘柄をカンマ区切りで入力します。たとえば株なら「AAPL, MSFT」、暗号資産なら「BITSTAMP:BTCUSD, BITSTAMP:ETHUSD」のように、必要に応じて取引所(EXCHANGE)を「EXCHANGE:SYMBOL」の形式で指定できます。取引所を指定しない場合は、TradingView側で一般的な取引所が選択されるため、データが意図とずれる可能性があるときは明示しておくと安全です。入力した銘柄が正しい場合、インジケーターは各銘柄の週次または月次リターンを取得し、すべての組み合わせについて相関係数を計算して、表形式のヒートマップを表示します。表は左右対称の相関行列で、行と列に同じ銘柄が並び、交差するセルがその2銘柄の相関を示します。対角線(同じ銘柄同士)のセルは常に1になり、これは「同じデータ同士は完全に相関する」ためです。
読み方のコツは、まず自分が主に見ている銘柄(例:ドル円、日経、BTCなど)を軸に、その行(または列)を横に見ていくことです。相関が強く正(青が濃い)なら、同方向に動きやすい関係が示唆されるため、同時にポジションを持つとリスクが重なりやすい可能性があります。相関が強く負(オレンジが濃い)なら、逆方向に動きやすい傾向があるため、ヘッジ的な発想や分散の検討に使えます。相関が薄い(白に近い)場合は、少なくとも対象期間では関係が弱かったことを意味し、分散候補を探す際の手がかりになります。
また、同じ銘柄ペアでも、分析期間や週次・月次の違いで相関が変わることがあるため、短期の関係性を見たいなら週次、長期の傾向を見たいなら月次、という使い分けが有効です。
さらに、リスク管理の観点では「相関が高い銘柄をまとめて持っていないか」をチェックする使い方が分かりやすいです。たとえば、株指数と同系統の大型株、あるいはビットコインとアルトコインなど、実質的に同じ方向に動きやすいものを複数持つと、見た目は分散しているつもりでも、実際は1つのテーマに集中していることがあります。Correlation Heatmapを使えば、その偏りを色で瞬時に可視化できるため、ポジション調整の判断がしやすくなります。
Correlation Heatmapのパラメーター設定

設定で重要なのは「Symbol list」「Returns timeframe」「Max periods」「Color gradient」の4つです。Symbol listは比較対象の銘柄リストで、カンマ区切りで入力します。銘柄数はユーザーのプランにより上限があり、一般プランでは最大20銘柄、プロ向けプランでは最大32銘柄まで比較できる仕様です。ただし本インジケーターは、データ取得のために銘柄ごとに複数回のデータリクエストを行う設計のため、実際に比較できる銘柄数は環境によって制約を受けることがあります。
Returns timeframeは相関を計算するリターンの時間軸で、週次(1W)か月次(1M)を選びます。初期設定は月次になっているため、中長期の相関をざっくり把握したい場合に向いています。短中期の関係性変化をより敏感に見たい場合は週次を選ぶと、相関の変動が表れやすくなります。Max periodsは、相関計算に使う期間の長さを制限するための設定です。有効にすると「直近◯週(または◯ヶ月)」のように、指定した期間だけで相関を計算できます。無効の場合はチャート上で表示している範囲を基準に計算するため、チャートの期間を変えると相関結果も変わります。
相関行列を比較・検証したい場合はMax periodsを使って期間を固定すると再現性が上がります。なお、相関は「全銘柄が共通して持つデータ範囲」で計算されるため、リスト内に歴史の浅い銘柄やデータが短い銘柄が混ざると、計算に使われる期間が短くなる点に注意が必要です。
Color gradientはヒートマップの配色設定で、正の相関・負の相関・中立付近の色を好みに合わせて変更できます。初期状態では正が青系、負がオレンジ系、0付近が白系で、色が濃いほど相関(または逆相関)が強いことを示します。見やすさは人によって違うため、ダークテーマ・ライトテーマに合わせて微調整すると快適です。加えて、本インジケーターは市場ごとのセッション差による“時間ズレ”が相関を歪める問題を避けるため、週次・月次の時間整列データを取得する手順を踏んでいます。これにより、株・FX・暗号資産のように取引時間が異なる銘柄同士でも、同じタイミングのデータ点を基準に比較しやすくなるのが強みです。最後に運用上の注意点として、相関は便利な一方で「相関が高い=必ず同じ動きをする」ではなく、「相関が低い=安全」でもありません。相場の局面が変われば相関構造が変化し、リスクオフ局面では多くの資産が同時に動くこともあります。
Correlation Heatmapは、売買シグナルを出すためというより、銘柄間の関係性を整理してリスクを見える化し、戦略やポートフォリオを調整するための分析ツールとして使うと効果を発揮します。




