FXトレードにおいて、多くの初心者や中級者が悩まされるのが『ダマシ』です。ブレイクアウトしたと思ってエントリーしたら、すぐに逆行して損切り…。そんな経験を繰り返すうちに「自分にはセンスがないのでは」と感じてしまう方も少なくありません。
しかし、これはあなたの判断力の問題ではなく、『相場の仕組みによって生み出される戦略的なダマシ』に引っかかっているにすぎません。特に多くのトレーダーが注目する水平線や移動平均線などは、機関投資家や大口トレーダーによって狙われるポイントでもあるのです。
では、このようなダマシをどのように回避すればいいのでしょうか。その答えの一つが『インジケーターの活用』です。最近ではダマシ回避を目的としたインジケーターの選定や使い方が注目されており、『感情に流されない客観的な判断』を可能にしてくれるツールとして多くのトレーダーに支持されています。
この記事では、『なぜFXではダマシが多発するのか』という背景から、実際にダマシ回避に役立つインジケーターの具体例、そしてそれらを活用した効果的なトレード手法までを徹底解説します。さらに、実際のチャート事例も交えながら、明日から使える実践的なノウハウをお届けします。
だましを回避できるインジケーターに興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
なぜFXではダマシが多発するのか?
まず、FXにおいてなぜダマシが多発するのでしょうか。下記では2つの理由について紹介しているので参考にしてください。
多くのトレーダーが同じラインを意識しているから
FXでは、過去の高値・安値に引かれる『水平線』や『トレンドライン』が多くのトレーダーに意識されます。特に、明確なラインを抜けた瞬間は『ブレイクアウト』としてエントリーポイントと見なされがちです。
しかし、その一歩先を読むプロやアルゴリズムは、個人トレーダーの注文が集中するラインを狩場として活用しています。『ラインをわずかに超えたところで一気に逆行させ、損切りを誘発する』これがいわゆるダマシです。
このような構図を知らずにトレードすると、何度も同じ罠にかかってしまいます。
特にFX初心者は、ネットや動画で見た情報を正直に実行しがちです。
ブレイクアウトの厄介な点としては、『勝てることもある』ことです。100%負けるわけじゃないから、勝てると信じて何年も同じことをしがちです。気づかないまま実行していると、そのうち資産が溶けてしまう可能性が高くなるので注意が必要です。

インジケーターが遅れて反応するため
多くのトレーダーが頼る移動平均線やMACDといったインジケーターは、過去の価格データをもとに計算されるため、遅行性があります。つまり、すでに動き出した相場に対して後追いで反応する構造上、ダマシの初動を見抜けないという弱点があるのです。
例えば、移動平均線がクロスしたときにはすでに相場が反転しているケースも多く、そのタイミングでエントリーするとダマシに巻き込まれてしまうリスクが高まります。
こうした遅行性を補うためには、複数のインジケーターを組み合わせることや、トレンドの勢い・ボラティリティも加味できるインジケーターを活用することが重要です。早期のサインと確定の条件を分けて捉えることで、より信頼性の高い判断ができるようになります。
ダマシ回避にインジケーターが有効な理由
FXにおいてダマシ回避の方法は幅広くありますが、その中でもインジケーターが有効です。下記ではその理由を2つ紹介しているので参考にしてください。
複数の根拠をもとにフィルターできる
FXでのエントリー判断を1つのサインだけに頼ると、“ダマシ”に巻き込まれるリスクが高くなります。たとえば、ローソク足が水平線を抜けただけで「ブレイク」と判断してしまうと、直後に逆行して損切りされるケースも少なくありません。
そこで重要なのが、インジケーターを使って複数の根拠を組み合わせることです。ブレイクの有無に加えて、「トレンドの方向性」や「勢い(モメンタム)」といった情報も同時にチェックすることで、エントリーの精度を高めることができます。
例えば、平均足スムーズドでトレンド方向を確認し、RSIで勢いをチェックするといった方法は、fxでダマシを回避するうえで有効です。こうした複数条件のフィルターを入れることで、ダマシを避ける可能性を高めることができます。
感情に左右されずに判断できる
相場を見ていると、『そろそろ動きそう』『上がりそうな気がする』といった主観的な判断に頼りたくなることがあります。しかし、感情が入ると判断がブレやすくなり、特にダマシのような一時的な値動きに飛び乗ってしまいやすくなります。
インジケーターは、あらかじめ設定した条件に達したときだけシグナルを出すため、感情に左右されることなく一貫した判断が可能になります。これは特に初心者にとって大きなメリットです。
『このインジケーターがまだトレンド転換を示していないからエントリーは見送ろう』といった冷静な対応ができることで、ダマシに巻き込まれるリスクを大幅に減らすことができます。
FXでダマシ回避に役立つインジケーター5選
この見出しでは、FXにおいてダマシの回避に役立つインジケーターを5つ紹介していますので、興味がある方は参考にしてください。
①平均足スムーズド
平均足スムーズドは、通常のローソク足に比べて価格のノイズを抑え、トレンドの方向性を滑らかに表示できるインジケーターです。
ローソク足の色でトレンドの継続・反転を示してくれるため、視覚的に非常にわかりやすく、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
特に、相場が一時的にブレイクしたように見せかけてから反転するダマシの動きに対して、色の変化が少し遅れて出る特性が、かえって冷静な判断材料となります。あえて『一歩遅れて反応する』ことで、早すぎるエントリーを防ぎ、ダマシに引っかかりにくくなるのです。
「ローソク足がブレイクし、平均足が赤から青になるまで待とう」といった判断ができるようになれば、fxでのダマシ回避に効果的なインジケーターとして活躍してくれるのでおすすめです。
平均足スムーズドの詳細は、下記のnoteとparkよりご覧いただけます。

また、平均足にはさまざまな手法があります。下記では役立つ手法を紹介していますので、そちらもよろしければ参考にしてください。

②12ma(移動平均線を複数表示)MTF Moving Average
FXにおいて、多くのトレーダーは移動平均線を活用しています。
移動平均線の目的はダマシを回避することだけではなく、相場の大まかな流れを把握できたり、サポート・レジスタンスとして機能したりと幅広くあるのです。
その中でも12maは、上位足の移動平均線を表示することができ、どこが押し戻り位置になりやすいか把握するために役立つインジケーターです。
例えばFXは、5分足チャートだけでトレードしていても勝つことは難しく、ほとんどのトレーダーはそれより上位足を見て流れをつかんでから5分足でトレードしています。(スキャルピングやデイトレードの場合)
FXは上位足が優先されるため、見ていないと大きな逆行をくらったり、そもそも見当違いのトレードをしていたとなることも少なくありません。
それほど上位足は大切になりますが、12maなら短期足チャートをチェックしながら、同時に上位足の流れも把握しやすいです。
例えば下記のチャートをご覧ください。
この画像では一度水平線をブレイクした後、押し目を付けて下落しています。
ブレイク後にエントリーしても問題ありませんが、この大きな逆行に耐えられたかというと、ほとんどの人は難しいでしょう。
となると戻りを待ってからとなりますが、『どこで止まりやすいか?』を当てることは簡単ではありません。
特にトレード経験が浅い方にとっては難しく感じますが、12maなら画像のように短期足に4時間足の20EMA(上位足の移動平均線)を表示でき、そこでサポートされてから落ちているのがわかります。
どこで止まるかがある程度わかれば、大きなダマシにあうことも少ないでしょう。
特に押し目買い・戻り売りでダマシにあいやすい方は、上位足も同時にチェックできる12maの活用がおすすめです。
12maの詳細については下記のnoteに記載していますので、そちらもチェックしてください。

➂ボリンジャーバンド(+スクイーズ判定)
ボリンジャーバンドは、価格の変動幅(ボラティリティ)を視覚化するインジケーターとして、FXで広く利用されています。3本のライン(±2σなど)で構成されており、価格がバンドの外に出ると「行き過ぎ」、内側に収まると「安定」といった判断が可能です。
特に注目すべきは、スクイーズと呼ばれる状態です。これはバンド幅がギュッと狭くなっている状態で、相場がエネルギーを溜め込んでいるサインです。このスクイーズ後は、大きなトレンドが発生しやすく、逆にこのタイミングでのブレイクにはダマシが混在しやすいことが知られています。
つまり、スクイーズの有無を事前に確認することで、まだ動く準備が整っていないブレイクを見送る判断がしやすくなるのです。
例えば、「バンドが狭いまま抜けたブレイクはダマシの可能性があるのでエントリーを控える」といったフィルターに使うことで、精度の高いトレードが実現します。
このように、ボリンジャーバンドを活用すれば、相場の静けさと爆発力のタイミングを見極めることができ、ダマシを回避しやすいインジケーターとして非常に有効です。
④RSI+ダイバージェンス確認
RSI(相対力指数)は、買われすぎ・売られすぎの状態を数値化するオシレーター系インジケーターです。一般的には「70以上で買われすぎ」「30以下で売られすぎ」と判断されますが、RSIの真価はダイバージェンス(逆行現象)の確認にあります。
ダイバージェンスとは、価格の動きとRSIの動きが逆方向になる現象のことです。例えば、『価格が高値を更新しているのにRSIは下がっている』このような場面では上昇が弱まっており、トレンド転換やダマシのブレイクが近いことを示している可能性があります。
このサインを見逃さずに活用すれば、「価格が上に抜けたけど、RSIが弱くなっているからだましかもしれない」といった冷静な判断が可能になります。エントリーを見送ることで、損失トレードを未然に防げるのです。
RSIのダイバージェンスは、相場の勢いが本物かどうかを見抜く手段として非常に有効です。特にダマシを回避できるインジケーターとして、チャートの形状とセットで使えば、シンプルながら高い効果を発揮します。
⑤ATR(ボラティリティフィルター)
ATR(Average True Range)は、相場のボラティリティ(値動きの大きさ)を数値で把握できるインジケーターです。移動平均のように方向性を示すものではなく、「今どれくらい動いているのか」を客観的に測るためのツールとして、多くのプロトレーダーも活用しています。
ダマシの多くは、ボラティリティが小さい状態で発生するブレイクアウトに潜んでいます。見かけ上はラインを抜けたように見えても、実際には相場に力がなく、すぐに反転してしまうというケースは珍しくありません。
ここでATRを使うことで、「ブレイク時に十分な値幅が出ているかどうか」を事前にチェックできるようになります。
例えば、ATRの数値が低い状態ではエントリーを見送り、高い状態のときだけ仕掛けるといったフィルターを設けることで、動きが小さいブレイクによるダマシを避けやすくなるのです。
このようにATRは、相場の勢いを数値化して判断できるシンプルかつ強力なダマシを回避できるインジケーターとして役立ちます。特に、他のトレンド系インジケーターと組み合わせることで、より精度の高いトレード判断が可能になります。
ダマシを避けるためのインジケーター活用術
ここでは、具体的にダマシを避けるためのインジケーター活用術を紹介しています。『ダマシを避けるためには具体的にどうインジケーターを活用するの?』と思われている方は参考にしてください。
エントリーは確定足+フィルター条件を満たしたときのみ
FXでダマシに引っかかりやすい人の多くは、「動き出した瞬間」に飛び乗ってしまう傾向があります。
例えば、ローソク足がラインを抜けたからといって、確定前にエントリーしてしまうと、直後に反転して損切りという結果になることも珍しくありません。
このリスクを回避するには、確定足を待ち、なおかつインジケーターのフィルター条件を満たしていることを確認してからエントリーするというルールが有効です。
例えば、「平均足スムーズドがトレンド方向を示し、RSIが順方向に勢いを示している」といった複数の根拠を確認してから入ることで、本物のブレイクだけを拾えるようになります。
複数のインジケーターを役割分担で使う
インジケーターは単体でも効果的ですが、異なる種類のインジケーターを役割分担して使うことで、より信頼性の高いエントリー判断が可能になります。ここで意識したいのが、「トレンド系」と「オシレーター系」の組み合わせです。
例えば、トレンド系として平均足スムーズドや移動平均線を使用し、相場の方向を把握。その上で、RSIやストキャスティクスなどのオシレーター系インジケーターで勢いや過熱感を測定することで、「今が入るべきタイミングなのか」を多角的に判断できます。
また、ATRを加えることで、相場のボラティリティまで視野に入れることができ、トレンドの方向・勢い・相場の活性度という3つの視点から、ダマシを避ける条件を整えることができます。
FXでダマシを減らし勝ち続けるためには
ここまでFXでダマシを回避するためのインジケーターを中心に紹介しました。
インジケーターは優秀で、補助ツールとして活用することでダマシを回避することが可能です。
しかし、FXで勝ち続けるためにはインジケーターだけではなく、幅広い知識を身に着けて相場の状況に合わせて動き続けなければならないのも事実です。
そこで下記では、誰でもメールアドレスを入力するだけで手に入る『ToshiのFX鉄板チャートパターン集』を紹介しています。
チェックすることで『どのようなパターンが勝ちやすいか?』が一目でわかるようになるので、特に専業を目指している方などはぜひ手に入れてみてください。

まとめ
FXにおけるダマシは、避けようとしても完全にゼロにすることはできません。しかし、インジケーターを正しく活用することで、その多くを回避し、精度の高いトレードを実現することは十分に可能です。
特に今回ご紹介したような、「トレンドの方向」「勢い」「ボラティリティ」などを可視化できるインジケーターを組み合わせて使うことで、感情に流されることなく、冷静かつ客観的な判断ができるようになります。
大切なのは、「シンプルなルールを守ること」と「エントリーの根拠を複数持つこと」です。飛び乗りや直感だけに頼らず、インジケーターという地図を持って相場を読むことで、ムダな損失を減らし、勝率を安定させることができるはずです。
ぜひ、あなたのトレードにも本記事で紹介したインジケーターを取り入れて、FXにおけるダマシの悩みを解決してみてください。