平均足の手法をうまく活用することで、FXで優位性の高いトレードをすることができます。実際に、平均足の手法はいくつもあり、基本的なものから独自性の高い手法まで確認しておきたいという方も多いでしょう。また、平均足の使い方やダマシを回避する方法も知りたいという方もいるのではないでしょうか?
今回は、FXの平均足最強手法を5つご紹介します。また、具体的な使い方やダマシを回避する方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
平均足とは?まずは基本を抑えよう!
平均足とは、トレンドの流れをパッと見て把握しやすくするチャートのことです。価格の上昇傾向が強いと陽線が連発して出現し、逆に下降の勢いが強いと陰線が連発して出現します。
相場の流れを視覚的に見やすくなる役割を持っているのが平均足であるため、複雑なローソク足ではわかりづらい相場も、平均足を用いることで売買の判断がしやすくなるのです。
FX初心者においても、平均足を活用することで市場のトレンドに基づいた取引判断がしやすくなることから、チャート上に導入する人たちが増えています。
平均足の上髭・下髭とは?
平均足の上髭とは、簡単に説明すると『上昇の勢いが強い』ことを示しているものです。ローソク足では上髭が長いと「上値が重い」と判断されますが、平均足の場合は逆となります。
一方、平均足の下髭とは、上髭の逆で『下降の勢いが強い』ことを示しているものです。ローソク足では下髭が出現すると底値圏をイメージする方が多いかと思いますが、平均足の場合は逆となります。
平均足の逆髭とは?
平均足を用いるトレード手法では、「逆髭の出現」という言葉も使われます。逆髭の出現は、下降から上昇へと切り替わるときや、上昇から下降へと切り替わる際に出現する反転サインの出現です。
逆髭が出現したからといって必ずしも反転するわけではありませんが、エントリーする際の目安として活用したり、ポジションを持っている際の決済に活用されたりします。
【MT4】
【TradingView】
平均足とローソク足の違い
平均足とローソク足の違いは、簡単に説明すると見やすさが異なります。ローソク足は陽線と陰線が不規則に出現しているのに対し、平均足は上昇トレンドの場合、陽線が連続して出現しており、上昇の強さが一目で確認できます。
平均足とローソク足は同じように見えて異なるため、特にトレンドの流れを把握したい場合には平均足の活用がおすすめです。
平均足を使うメリットとは?
平均足を使うメリットは、大きく分けると2つあります。
トレンドの流れを把握しやすくなる
FXにおいて平均足を使う1つ目のメリットは、トレンドの流れを把握しやすくなる点があげられます。陽線と陰線が連続して表示されるため、上昇または下降トレンドを一目で把握できます。
FXにおいてはトレンドの流れをいち早く知ることで上昇または下降トレンドに乗りやすくなるため、トレンドを見極めるためにも平均足は活用しやすいと言えるでしょう。
売買判断がしやすくなる
平均足を使う2つ目のメリットは、売買判断がしやすくなる点です。
平均足には幅広い種類があるため、何を使うかによっても異なりますが、例えばMoreAndMore Infoの平均足なら、逆髭が出現することによって下値ポイント、上値ポイントも簡単に把握できます。
逆髭が出現したら反転する可能性があることも一目でわかるため、売買判断も迅速に行うことが可能です。
特にFX初心者は、「どこでエントリーするか?」で迷いがちですが、平均足を活用することで悩むケースが少なることは大きなメリットと言えるでしょう。
平均足トレードの注意点
平均足を使ってトレードする際には2つの注意点を守りながら取り組んでください。
ダマシが発生しやすい
平均足を使ったトレードの1つ目の注意点は、ダマシが発生する可能性がある点です。例えば平均足の色変わりだけでエントリーした場合、勝率は少々落ちる傾向にあります。特に、MT4などにある標準の平均足は、スムーズド化されていないため、ダマシの発生が多いのも事実です。
そのため、平均足を活用する場合には、ダマシを回避できるものを選ぶ必要があります。
ダマシを回避したい場合は、この記事の後半で解説する「平均足のダマシを回避する方法」をご確認ください。
ある程度のローソク足を使った環境認識が必要
平均足を使ったトレードの2つ目の注意点は、ローソク足を使った環境に認識も必ずやることです。
平均足のデメリットとしては、ローソク足と比べると環境認識がしづらい傾向にあります。そのため、ローソク足も必ず活用し、「そもそもこの通貨ペアは上昇トレンドか?下降トレンドか?」「どこがポイントになるのか?」「上位足はどうなっているのか?」など、最低限の環境認識をしておくことで、平均足を使ってスムーズにトレードができるようになります。
平均足の計算式について
平均足は、ローソク足よりも始値と終値が大きいのが特徴です。始値、終値、安値、高値の計算式は下記の通りです。
【始値】
平均足の始値は、前の平均足の始値と終値の平均です。
始値= (前の足の始値+前の足の終値)/2
【終値】
平均足の終値は、現在の足の始値、終値、安値、高値の平均です。
終値=(始値+終値+安値+高値)/4
【高値】
平均足の高値は、現在の足の始値、終値、高値のうち、もっとも高い値となります。
高値=max(始値、終値、高値)
【安値】
安値は、現在の足の始値、終値、高値のうち、もっとも安い値となります。
安値=min(始値、終値、高値)
平均足の最強手法5選!具体的な使い方も解説
平均足の最強手法は下記の5つです。それぞれの手法の概要や具体的な使い方について解説します。
- 平均足の陽線・陰線の連続でトレンドを確認する
- 平均足の実体の長さからトレンドの強弱を確認する
- 逆髭で早めにトレンドに乗る
- 平均足と平均足の中期・長期の色が揃ったタイミングでエントリー
- 平均足の色変わりで決済する
それぞれの手法の概要や具体的な使い方について解説します。
平均足の陽線・陰線の連続でトレンドを確認する
平均足はローソク足に比べて色変わりが起こりづらく、ローソク足よりもダマシを回避しやすいという特徴があります。そのため、平均足の陽線や陰線が連続していることを確認して、現在の相場は上昇トレンドなのか、それとも下降トレンドなのかを判断する際に使えます。トレンドの確認は平均足のもっとも基本的な手法です。
例えば、下記のチャートの赤枠部分は、平均足の陽線が連発しています。そのため、上昇トレンドであることがわかります。
【MT4・MT5】
【TradingView】
実際に、現在の相場は上昇トレンドなのか、それとも下降トレンドなのかを見極める際、通常のローソク足ではダマシが多いため、判断が難しいことあります。しかし、平均足を利用すれば、ローソク足よりも簡単にトレンドを見極められるため、基本的な手法として有名です。
平均足の実体の長さからトレンドの強弱を確認する
ローソク足と同様に、平均足の始値から終値まではチャートの中で実体として表示されます。平均足スムーズドの場合は、通常の平均足を平滑化しているため、始値から終値までが実体として表示されません。しかし、MT4やTradingView標準の平均足は平滑化されていないため、始値と終値が実体として表示されます。ちなみに、平均足スムーズドについて詳しく知りたいという方は、下記のページを参照してください。
平均足の実体を確認することで、トレンドの強弱を確認できます。例えば、下記のチャートの場合、①よりも②のほうが平均足の実体は大きいため、トレンドが強いということがわかります。
【MT4・MT5】
【TradingView】
逆髭で早めにトレンドに乗る
平均足の手法として有名なのが逆髭を確認してからエントリーすることです。
平均足の逆髭はトレンド転換を表すサインです。FXトレーダーによっては逆髭を十字と表現する人もいます。前述した通り、逆髭は陽線なのに下髭が出ている平均足、陰線なのに上髭が出ている平均足のことです。
逆髭はトレンド転換を表すサインであり、トレンドに対して早乗りができるので、平均足を使う人のならぜひ活用したい手法のひとつです。
具体的な逆髭の使い方は、上髭陰線が出たらロングエントリー、下髭陽線が出たらショートエントリーです。例えば、下記の赤枠部分では、上髭陰線が出現しており、そこでロングエントリーができます。
【MT4・MT5】
【TradingView】
しかし、注意点としては、平均足はレンジ相場では逆髭が出やすいです。そのため、市場前や指標前など、この先相場が動くことが予想されているときにこの手法を使うのがおすすめです。
平均足と平均足の中期・長期の色が揃ったタイミングでエントリー
平均足の色が中期・長期の平均足の色とマッチしたときにエントリーするという手法も有名です。
FXにおいて優位性の高いトレードをするためには、トレンドフォローが必須です。しかし、トレンドフォローと聞くと非常に簡単に思えますが、実は初心者にとっては難しく、知らない間に逆張りしてしまうというケースも珍しくありません。しかし、平均足と平均足の中期・長期を使うことで、色を識別して誰でも簡単にトレンドフォローができるようになります。
例えば、下記の画像では平均足が青、平均足の中期長期も青になります。
【MT4・MT5】
【TradingView】
そのため、使い方としては中期・長期が青で、平均足が赤から青に変わったタイミングでエントリーというような感じです。
ちなみに、通常の平均足は中期・長期が付いていないため、この手法を使いたい場合は中期・長期付きの平均足を使用する必要があります。また、平均足と中期・長期が揃ったタイミングでアラートを鳴らしてほしいという方は、下記のインジケーターを使うのもおすすめです。
平均足の色変わりでエントリー・決済する
平均足の色変わりでエントリー・決済するという手法も最強です。
平均足はローソク足に比べてダマシが少なく、すぐに陰線が陽線へ、陽線が陰線へ変化してしまうことがありません。つまり、色変わりが発生するとトレンドが継続されやすいため、エントリーや決済の判断に使えるというわけです。
この手法の基本的な平均足の使い方としては、色変わりでエントリー・決済を行います。下記の画像のチャートの場合、長期間トレンドが継続していますが、赤枠部分で平均足が色変わりしています。
【MT4・MT5】
【TradingView】
そのため、トレンドの終了であることがわかるため、ポジションを持っていた人は、ここで一旦決済するということが可能です。また、これからポジションを持ちたいという方は、この時点でエントリーを検討することもできるでしょう。
ちなみに、MT4やTradingView、日本のFX会社提供のトレードツールなどに搭載されている平均足は平滑化されていないため、ダマシが多くなります。そのため、平均足の色変わりを使ってエントリー・決済する手法をトレードの中で活用したいという方は、ご自身のプラットフォームに合わせて平均足スムーズドを利用するのがおすすめです。
また、平均足スムーズドの色変わりでアラートが鳴るインジケーターなどもあります。
スマホで通知を受け取れたり、メールで知らせてくれたりするので、チャートをずっと見ていられない方は活用するのがおすすめです。
平均足と一緒に組み合わせたい3つのインジケーターと機能
平均足は単体でも十分に最強です。しかし、ほかのインジケーターと組み合わせることで、さらに精度を上げることができます。ここでは、平均足と一緒に組み合わせたいおすすめのインジケーターや機能をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ボリンジャーバンド
平均足とボリンジャーバンドは非常に相性が良く、平均足を活用してトレードする多くの人が活用しているインジケーターです。平均足とボリンジャーバンドの使い方は、まずボリンジャーバンドがスクイズしている箇所を見つけます。
【MT4・MT5】
【TradingView】
スクイズは赤枠の部分のようにボリンジャーバンドが収縮している部分を意味します。スクイズはトレンドが発生する前兆を表します。そのため、トレンドの発生を事前に察知することが可能です。
次に、平均足を確認し、下記の画像の赤枠の部分のように逆髭でエントリーすれば、ボリンジャーバンドがエクスパンションする前にエントリーすることができます。
【MT4・MT5】
【TradingView】
利確は平均足の色変わりもしくはボリンジャーバンドのプラス2σなどがおすすめです。
平均足のアラート機能
平均足とアラート機能を組み合わせることで、トレードが一気に快適になります。前述した通り、平均足の手法には『平均足と中期・長期が揃ったタイミングでエントリー』や『平均足の色変わりでエントリー・決済する』というものがあります。色で判断してエントリーや決済をする手法が多く、平均足を使ってトレードをするためには、チャートを長く監視しなければなりません。
そこで、平均足とアラート機能を組み合わせて使用するのがおすすめです。例えば、平均足の色変わりの手法を使うという方は、平均足の色変わりでモバイル通知してくれたり、メールで教えてくれたりするインジケーターを活用しましょう。また、平均足と中期・長期の色が揃ったタイミングでエントリーしたいという方は、そのタイミングでアラートを鳴らしてくれるインジケーターを活用するのがおすすめです。アラート機能付き平均足は下記から入手することができるので、アラート機能を活用したいという方は、ぜひチェックしてみてください。
平均足でダマシを回避する方法
前述した通り、平均足の注意点としては、ダマシが発生しやすいという点です。下記はMT4・MT5及びTradingView標準の平均足になりますが、ダマシが非常に多いことがわかります。
【MT4・MT5】
【TradingView】
平均足のダマシが多い場合、当然惑わされてしまうため、決済やエントリーが速くなってしまいます。例えば、『もっと利益を取れたのに早めに利確してしまった』、『平均足の色変わりでエントリーしたが、ダマシに遭ってしまい損切りになってしまった』というような事態が発生します。つまり、MT4やTradingView標準の平均足を使用すると平均足の手法がうまく機能しなくなってしまうのです。
平均足の手法を使って精度の高いトレードをしたいという方は、平均足スムーズドを利用するのがおすすめです。平均足スムーズドは標準に搭載されている平均足よりも色変わりが起きづらく、ダマシを回避することができます。
通常の平均足と平均足スムーズドを比較するため、MT4とTradingViewぞれぞれで標準の平均足と平均足スムーズドの画像を用意しました。こちらはどちらも同じ通貨ペア・時間軸となりますが、圧倒的に平均足スムーズドのほうがダマシを回避できていることがわかります。
【MT4・MT5】
【TradingView】
このように、平均足スムーズドはダマシが回避されるように設計されているため、平均足の手法を使ってトレードをしたいという人におすすめです。平均足スムーズドの詳細や入手方法については下記で詳しく解説していますので、興味がある方はチェックしてみてください。
また、平均足のだましを回避する方法は下記の記事に詳しくまとめていますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、平均足の最強手法を5つご紹介しました。平均足はローソク足よりもダマシが少なく、惑わされることがなくなります。また、今回ご紹介した手法を使えば、エントリータイミングを正しく測れるようになるので、『FXのエントリーポイントがわからない』という方は、ぜひ活用してみてください。
平均足はローソク足よりもダマシを回避できますが、MT4やTradingView標準の平均足は精度が高くないので、平均足の手法を試したとしても騙されてうまくいかないことがあります。そのため、トレードの精度を上げたいという方は、平均足スムーズドを利用するのがおすすめです。