FXはエントリー回数が増えれば増えるほど、それだけお金を増やせる機会も多くなることになります。そのため、1日のエントリー回数が少ないトレーダーは、なかなかお金が増えないので、「エントリー回数を増やさないと!」と焦ってしまう方は非常に多いです。
しかし、FXにおいてエントリー回数が少ないことは自然なことであり、無理に増やそうとすると資金を減らしてしまう原因となります。
また、エントリー回数が少ないと悩んでいる人の中には、ロットを抑えてエントリー回数を増やすのと、エントリー回数を抑えてロットを張るのではどちらがお金が増えるのか気になっている方もいると思います。
そこで、今回はエントリーポイントが少ないトレーダーがエントリー回数を増やすべきか、その際に危険なことなどについて詳しく解説します。
エントリーポイントが少ない状態は決して間違っていない

はじめに、言いたいことは、エントリーポイントが少ない状態は自然なことということです。なぜなら、FXでエントリーしてお金を増やすということは、それだけ値幅を取るということになります。そのため、まず常に相場が動いており、ボラティリティがある状態でなければ、そもそもエントリーしてもお金が増えることはありません。つまり、「エントリー→お金が増える」という状態でなければ、エントリーポイントを増やすことはそもそもできないはずです。
FXで値動きがある状態であるということは、経済指標は週に複数回ありますが、毎日あるわけではありません。また、東京市場は値動きが乏しいこともあるため、そうそう簡単にエントリー回数を増やすことは簡単ではないのです。
FXは基本的にトレーダー側の都合は当然考えてくれません。この相場状況ではエントリー回数が少なくなるからエントリーを増やせる状態にしようというような配慮はしてくれないのです。
「ロットを抑えてエントリー回数を増やす」vs「ロットを増やしてエントリー回数を絞る」どちらがうまくお金を増やせる?

基本的に、1日に何回もエントリーして資金を大幅に増やす人よりも勝率の高いところで1日1回エントリーしている人のほうが勝ちトレーダーには多い印象です。
その理由は、勝率の高いところでエントリーしているため、損切りになるリスクが格段に少なくなるからです。
ポーカーゲームを想像してみてください。ポーカーゲームは2枚の手札が渡されますが、強いカードが回ってくるまで賭けるのを止めて、エース・エースといった強い手札のときだけ勝負すれば、勝てる確率は自然に上がります。
FXもこれと同じで勝率の高いチャートパターンやプライスアクションのときだけエントリーして、それ以外はエントリーをスルーしていれば、お金が増える確率のほうが高くなります。つまり、「ロットを増やしてエントリー回数を絞る」というやり方のほうがお金が増えやすいということです。
そして、勝率の高いところは、そうそう簡単にチャートの中で出現するものではありません。そのため、勝率を重視するトレーダーは、エントリーポイントが少なくなるというのは当然の話といえます。
無理やりエントリーポイントを増やそうとしてはいけない3つの理由

FXに限らず、エントリーポイントは無理に増やそうとすると痛い目に遭うケースが多いです。その理由について下記では紹介するので参考にしてください。
ほぼ絶対に負けます
無理やりエントリーポイントを増やすと、高い確率で負けます。誰でも「絶対に負ける」というわけではありませんが、9割以上の人は資金を溶かすことになるでしょう。
なぜ負けるのか?その理由は、エントリーの質が大幅に下がってしまうからです。エントリーポイントを無理やり増やすということは、例えば普段なら3つ以上の根拠が揃ってからエントリーしているのに、1つでも根拠があればエントリーをするということになります。確かに1つだけの根拠でいいならすぐにエントリーポイントを見つけることができ、トレード回数は増やせますが、根拠が薄いので大体は負ける流れになるでしょう。
FXは、根拠のある論理的なトレードから勘頼りのトレードになってしまうと資金が溶けやすくなります。それが当たり前になると危険なので、無理にエントリーポイントは増やしてはいけないのです。
勝つことではなくエントリーすることが目的になってしまう
FXは、「トータルでプラスになることを意識しよう」ではなく「とにかくエントリー回数を増やしてトレードをしよう」になると、勝つことが優先ではなく、エントリーすることが最優先となり、結果的に負けが込んで資金を溶かす原因となってしまいます。
FXを始める理由は人それぞれ異なりますが、多くの人たちは「FXで今ある資金をもっと増やしたい」「サラリーマンの給料では生活が苦しいから、兼業で今以上に月収を増やしたい」など、お金を増やすことを目的としていると思います。
しかし、いざFXを始めると、「1日に1,000円しか稼げないなら月収がたいして増えない」「お金を増やすどころかマイナスが続きすぎてエントリー回数を増やさなければ取り返せない」など、FXを始める前と比べて冷静でいられなくなる人が多くなり、目的が変わってしまう人が増えるのです。
このような感情の変化は危険で、勝つことではなくエントリーすることや取り返すことが目的になると、ほとんどの場合は資金がゼロになります。
実際にそうなる人は多いため、これからFXに対して真剣に向き合おうと考えている方は、無理にエントリー回数を増やすのではなく、期待値が高い場面だけを永遠にトレードしていくようにしましょう。
都合の良いエントリー根拠を探そうとして負けトレードに
エントリーをする前には、ほとんどのトレーダーがエントリーの根拠を探します。例えば、現在はエリオット波動の2波で推移しており、ネックラインを抜けて確定したなど、チャートが作り出す自然の根拠なら問題ありません。
しかし、中にはエントリー回数を増やすために、無理やり水平線を引き、「そのラインを抜けたから1つの根拠が成立した」とか、「いつもならエントリーをしないけど、今回だけはOK」など、都合の良い根拠でトレードしていては勝率は下がってしまうでしょう。
このような都合の良い根拠でトレードしてしまう人の多くは、エントリー回数を増やしたいがために無理やり根拠を探してしまいます。
相場の世界は厳しく、自分にとって都合の良い根拠だけで勝つことはできません。特に無理やりエントリー回数を増やそうとすることで起こりやすい失敗となるため、無理にトレード回数を増やそうと意識してはいけません。
勝率を保ちながらエントリーポイントを増やす方法

しかし、エントリーポイントが少ないことで悩んでいて、尚且つエントリー回数を増やしたいと考えている人はいると思います。その人向けに、この見出しでは勝率を保ちながらエントリーポイントを増やす方法を紹介していきます。
あくまでも勝率が下がらないことを重点に置き、このようにすればエントリーポイントを増やせるよというような感じで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
通貨ペアを増やす
FXのチャートパターンや手法はドル円だけでなく、複数の通貨ペアで機能することが多いです。そのため、通貨ペアを増やすことで、エントリー根拠は維持しつつ、トレード回数を増やすことができます。
通貨ペアによって当然、相場状況や形成されている波形は異なります。例えば、ドル円が一方的な上昇トレンドでエントリーしづらい状況だったとしてもEUR/USDでは三尊や逆三尊といった有名なチャートパターンを形成しているかもしれません。このように、通貨ペアを変えれば、当然相場状況やチャートパターンも変化するため、エントリー根拠を持ってポジションを保有できる可能性があります。
例えば、ドル円だけに絞ってトレードをしている人は、ポンド円やユーロ円など、取引するクロス円に幅を持たせるのもありです。また、クロス円は同じ波形で推移することもあるため、EUR/USDやGBP/AUDなどクロス円とは関係のない通貨ペアのチャートをチェックするのもおすすめです。
ただし、それぞれの通貨ペアで癖があります。例えば、ポンド円はボラティリティが激しいので、損切りラインが浅いと狩られてしまうということがあるので、取引する通貨ペアを増やすという人は、それぞれの通貨ペアの特徴も把握しておかなければなりません。

今持っているエントリー根拠の数を増やす
今、自分が持っているエントリー根拠を増やすことで、エントリー回数を増やすことができます。例えば、サインツールを使い、エントリーポイントを可視化するのも一つの手です。

しかし、通貨ペアを増やすときと同じように、エントリーサインを表示するインジケーターは、そのサインでエントリーして必ず勝てるというものは少ないです。そのため、サインをひとつの根拠として捉え、そのほかにも複数の根拠がある場合のみエントリーすることで、エントリーポイントを増やしながら勝率をキープすることができます。
また、ほかのトレーダーからFXの手法を学び、それを取り入れてみるという方法も良いと思います。
例えば、下記は鉄板エントリーパターン集がまとめられたPDFですが、このようなチャートパターン集を真似してみて、勝率が高いものを取り入れるのがおすすめです。

ただし、インジケーターと同じ内容になりますが、他人の手法を見てエントリー根拠にする場合も、しっかりと勝率が高いものとそうでないものを取捨選択する必要があります。当然、何もかも取り入れていたら、勝率が低いものも混ざることになるので、トレード成績が悪くなります。
まとめ
今回は、FXでエントリーポイントが少ない人向けに、エントリー回数が少ないことは別に悪いことではないよということやエントリー回数が少ないほうが勝率は高いよという話をしました。
しかし、極端にトレード回数は少ないという方はエントリーポイントを意識的に増やしてもいいのかなと感じます。ただし、勝率はキープする必要があります。インジケーターや手法を取り入れる場合でも必ず検証の上、勝率の高いものだけをトレードの中に取り入れるようにしてください。



