ダブルボトム・ダブルトップはFXのチャートで頻出するパターンです。FXの教科書でも必ず触れられており、FX初心者も知っている方は非常に多いでしょう。
しかし、ダブルボトム・ダブルトップのエントリー方法を教科書やブログなどで学び、実践してみると失敗してしまうことは多いのではないでしょうか?例えば、ダブルボトムでロングエントリーしたのに逆行してしまい損切になってしまうことは珍しくありません。
今回、ご紹介するダブルボトム・ダブルトップのエントリーポイントは、教科書やブログで書かれていない内容です。教科書でエントリーのベースを作ってしまったという方は、少し違和感を覚えるかもしれませんが、勝率が大幅にアップするので、ぜひ参考にしてください。
FXのダブルボトム・ダブルトップとは?画像と実際のチャートで解説
はじめに、ダブルボトム・トップの基本的な概要を画像とチャート付きで解説します。
ダブルボトムとは?
ダブルボトムとは、チャートが(W)ダブリューのような形に見える波形のことです。具体的には下記の画像のような波形を言います。
教科書でもよくこのような図形で解説されています。また、下記が実際のチャートのダブルボトムです。
ダブルボトムは底値付近で形成されやすいチャートパターンです。例えば、下降トレンドが終わり、いったん上昇するときに形成されやすくなります。また、上昇トレンド中の2波の押し目買い付近でダブルボトムができることも非常に多いです。上昇する前触れとしてダブルボトムは形成されるため、ロングエントリーすると勝てる可能性が高くなるといわれています。
ダブルトップ
ダブルトップとは、上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるときに形成されやすい『M』のチャートパターンのことです。ダブルボトムと真逆に考えるとわかりやすいでしょう。教科書でも下記の画像のように紹介されることが多いです。
また、実際のチャートのダブルトップは下記です。
ダブルトップは上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるときに形成されることが多いです。特に、5分足に頻出しやすくなります。また、そのほかの時間帯においては三尊になるケースが多いです。三尊・逆三尊にエントリーポイントについては、記事を後日作成します。
ダブルトップはトレンドの切り替わりではなく、下降トレンドの2波などに形成されることもあります。2波の戻り売り部分でエントリーする際にも使われるチャートパターンです。
教科書では教えてくれないダブルボトム・ダブルトップのエントリー方法
教科書で教えられているダブルボトム・ダブルトップのエントリー方法を真似しても勝てないわけではありません。しかし、だましにあうため、勝率は安定しづらいです。負けないトレードをするためには、今回ご紹介する方法でエントリーすることをおすすめします。
ダブルボトムのエントリー方法
FXの教科書と比較できるように、教科書でいわれる一般的なエントリー方法と勝率が上がるエントリー方法を小見出しにわけて解説します。
教科書でいわれるダブルボトムのエントリー方法
一般的なFX本やブログでは、下記の画像のように水平線抜け後にエントリーすることが推奨されています。
「水平線を抜けたらエントリー」とか「水平線を抜けて戻ってきたところでエントリー」というような解説を読んだことがある方も多いのではないでしょうか?たしかに、この方法でも十分に勝つことができるかもしれません。しかし、損切りにあった後、上昇してしまったという経験をしたことがある人も非常に多いのではないでしょうか。
例えば、教科書通りにエントリーする場合、水平線を抜けたあとに戻りを待ってエントリーすることになります。そのため、損切りラインは水平線の下に置くのが一般的です。
しかし、残念ながらこのやり方では損切りラインタッチ後に上昇することが多いです。実際には、チャートは下記のように推移し、損切りを狩ってから上昇します。
そのため、負けてしまうというわけです。実際のチャートでも下記のように損切りラインにタッチしたあとに上昇しているケースは非常によく見かけられます。
「損切ラインをダブルボトムの下に置けば問題ないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
たしかに上記の画像のように、損切りラインをダブルボトムの下に変更すれば、損切りを狩った動きでも耐えることができます。しかし、実際には、エントリーポイントと損切りラインが離れすぎているため、ダブルボトムの下に損切りラインを置ける人は非常に少ないでしょう。また、実際にそこに置けたとしてもリスクリワードが悪く、ダブルボトムが失敗して価格が落ちてきたときに大きな損失となります。そのため、教科書で書かれているようなエントリー方法では十分な勝率を得ることができず、損切りラインを移動してしまうとリスクリワードが悪くなります。
勝率の高いダブルボトムのエントリー方法
ダブルボトムで勝率を上げるためには、ダブルボトムの安値の戻り高値から切り下げラインを引き、そこを抜けたあとにエントリーするのがおすすめです。言葉で説明しても何を言いたいのかわからないと思いますので、下記の画像を見てください。
教科書のように水平線を引くのではなく、ダブルボトムの安値の最高値から切り下げラインを引き、そのラインを上に抜けた後、もしくは戻ってきたタイミングでエントリーすると勝率が大幅に上がります。また、損切りラインはダブルボトムの下です。切り下げライン抜け後にエントリーする場合、ダブルボトムの下に損切りラインを置いてもリスクリワードが悪くなりません。
実際のチャートでも水平線では損切りなってしまう値動きを回避してしっかりと利益を獲得できていることがわかります。
チャートではエントリー後に大きな逆行にあっている場面もありますが、損切りにならずに順調に伸びていることがわかります。
ダブルトップのエントリー方法
ダブルトップのエントリー方法は、ダブルボトムを上下逆さまに反転させたものです。そのため、ダブルボトムのエントリー方法がわかれば、ダブルトップのエントリー方法も理解できるでしょう。しかし、細かく確認しておきたい方もいるかと思いますので、同様に教科書でいわれる一般的なダブルトップのエントリー方法と勝率の高いエントリー方法を小見出しにわけて解説します。
教科書的なダブルトップのエントリー方法
ダブルボトムを反転させただけなので、できるだけ簡潔に解説していきます。
一般的に教科書では下記の画像のように水平線抜け後もしくは戻りを待ってからエントリーしましょうといわれることが多いです。
この場合の損切りラインは水平線の下になります。
しかし、ここに損切りラインを置くと戻ってきてしまいます。
下記のチャートでも戻ってから下落していることがわかるでしょう。
勝率の高いダブルトップのエントリー方法
勝率を高くするためには、下記の画像のようにダブルトップの高値の最安値から切り上げラインを引き、そのラインをブレイクした後にエントリーするほうが負けづらいです。損切りラインはダブルトップの上に置きます。
実際のチャートでは、下記の画像ように切り上げラインを引きます。そして、切り上げライン抜け後の戻りでエントリーすれば、損切り狩りにあわずに大きな下降トレンドに乗れるのです。
しかし、今回のチャートでは損切りラインの候補が①と②の2つあります。リスクリワードなどを考えて適切なところに置くのがおすすめです。
勝率の高いダブルボトム・ダブルトップの見極め方
上記で紹介したエントリー方法を意識するだけでも負けを大幅に減らすことができます。しかし、さらに勝率を上げるためには、ダブルボトム・ダブルトップのチャートパターン以外にエントリー根拠を増やさなければなりません。
最後に、勝率の高いダブルボトム・ダブルトップの見極め方を解説しますので、負けを減らしたいという方はぜひ参考にしてください。
ダブルボトムは右肩上がり、ダブルボトムは右肩下がりを狙う
ダブルボトム・トップの波形を注意深く見て勝ちやすいものを狙うようにします。ダブルボトム・トップは非常に頻出するチャートパターンです。そのため、あらゆるところで見つけることができるため、「これもダブルボトム、あれもダブルボトム」といって『W』や『M』の形だけでエントリーしてしまうと負けてしまいます。
結論を言えば、ダブルボトムは安値が右肩上がりのものを、ダブルトップは高値が右肩下がりのものを選ぶのがおすすめです。
安値が右肩上がりとは、下記の画像のようなダブルボトムを指します。
安値が切りあがっており右肩上がりに見えます。ダウ理論を意識したトレードを普段からしている方ならわかるように、安値が切りあがっている場合は上昇トレンド継続中と判断されるため、上に行きやすいです。そのため、切り下がっているものよりも安値が切りあがっているダブルボトムを選ぶほうが勝率は高くなりやすいでしょう。
高値が切り下がっているダブルトップは下記の画像のようなものです。
これもダウ理論に基づいており、高値切り下がり、安値切り下がりは下降トレンド継続中を意味します。そのため、このようなダブルトップでエントリーすれば負ける可能性を大幅に減らせるでしょう。
トップ部分の髭が長ければ長いほど勝率が高い
ダブルボトムは、安値付近のローソク足の下髭が長いもの、ダブルトップは高値付近のローソク足の上髭が長いものを選ぶようにしましょう。
例えば、ダブルボトムの場合、下記の画像のように安値付近で下髭が長いものを選ぶと勝ちやすいです。
逆にダブルトップは、高値付近で上髭が長いものを選ぶようにします。
このように、プライスアクションを見てダブルボトム・トップを選ぶと勝率が大幅にアップするのでおすすめです。
ダブルボトム・トップの中にダブルボトム・トップが内蔵されているパターン
ダブルボトムの安値付近に小さいダブルボトムが見られるものやダブルトップの高値付近に小さいダブルトップが形成されているものは勝率が高いです。
下記の画像のようにダブルボトムの安値付近に小さいダブルボトムがある場合、いわゆる勝ちやすい鉄板のパターンになります。
実際のチャートでもよく見られるため、そのようなダブルボトムを見たときは、狙ってみるのがおすすめです。
ダブルトップも同様です。
ダブルトップの高値付近に小さいダブルトップができている実際のチャートです。
ちなみに、今回はダブルボトム・トップが内蔵されているパターンを解説しましたが、逆三尊や三尊が内蔵されるケースも非常に多いです。あわせて覚えておくようにしましょう。
エリオット波動を確認して5波後のダブルボトムを狙う
エリオット波動の波を確認して5波後のダブルボトムを狙うと勝率が高いです。
下記の画像を見てください。
下降1波・2波・3波・4波・5波のあと、下降トレンドは終わり、いったん上昇すると考えられます。そのため、このように波のカウントとダブルボトムの波形がマッチするとエリオット波動上昇1波を取れるというわけです。今回はダブルボトムで解説しましたが、ダブルトップも同様になります。
上位足とマッチしているダブルボトム・ダブルトップは勝ちやすい
上位足の方向と下位足の方向がマッチするところでエントリーすると勝ちやすいです。
例えば、日足ではチャネルの下限付近を推移しており下げ止まりになる可能性が高いとします。そして、1時間足でダブルボトムを作っていたら上位足と下位足の方向性がマッチするため、勝率が高くなります。このように、上位足とマッチするところのダブルボトム・ダブルトップを拾うことで負けを大幅に減らすことができるので、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
今回は、ダブルボトム・ダブルトップのエントリーポイントについて詳しく解説しました。できるだけFXの教科書やブログでは書かれない勝てるエントリー方法をご紹介したので、ご満足いただけた方もいるのではないでしょうか?
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