価格は、まっすぐ上がり続けたり、下がり続けたりすることは少なく、上がって、少し戻って、また上がる、というように波のように動きます。この波の長さの比率に注目した形がハーモニックパターンです。
この記事では、ハーモニックパターンの考え方を、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、ハーモニックパターンをチャートから自動で見つける「ハーモニックパターン検出インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- ハーモニックパターンは、X・A・B・C・Dの5つの点でできた波の長さの比率が、決まった数字の組み合わせになっている形です。
- XからCまでの形ができると、Dが来そうな価格帯(PRZ)を前もって計算できます。
- 「ハーモニックパターン検出インジケーター」は、ガートレー・バットなど10種類のパターンを自動で見つけ、PRZ・目標の線・無効の目安を表示します。
- 初期設定では確定したスイングだけを使うので、一度出たパターンが描き直されることはありません。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | ハーモニックパターン検出インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_Harmonic.ex4/MT5版 MAM_Harmonic.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 検出するパターン | ガートレー、バット、オルタネート・バット、バタフライ、クラブ、ディープ・クラブ、シャーク、サイファー、5-0、AB=CDの10種類 |
| 表示するもの | パターンの線と三角形の塗り、X・A・B・C・Dの文字とパターン名、フィボナッチ比率の数字、PRZ、目標1・目標2の線、無効の目安の線、形成中のパターンのPRZ、左上の検出数 |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(パターンの完成、形成中のパターンのPRZ到達) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
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ハーモニックパターンとは?
価格は、上がって、少し戻って、また上がる、というように、波のように動きます。ハーモニックパターンとは、この波の長さの比率が、決まった数字の組み合わせになっている形のことです。

パターンは5つの点でできている
パターンは、5つの点でできています。古い方から順に、X、A、B、C、Dと呼びます。XからAまでの波をXA、AからBまでの波をAB、同じようにBC、CDと呼びます。

比率の考え方
たとえば、XAで価格が1円上がったあと、ABで62銭下がったとします。このとき、ABはXAの0.62倍なので、XAの62パーセントを戻した、といいます。
ハーモニックパターンでは、0.618、0.786、0.886、1.618のような、フィボナッチ比率と呼ばれる数字を使います。フィボナッチ比率は、相場で意識されやすい戻しの目安として、よく使われている数字です。それぞれのパターンには、ABはXAの何倍、Dはどこまで、という比率が決まっています。

ガートレーの例
代表的なガートレーで、具体的な数字の例を見てみます。Xが157円ちょうど、Aが158円ちょうどだとします。XAは1円の上昇です。
ガートレーでは、ABはXAの0.618倍です。Bが157円38銭なら、ABは62銭なので、XAの0.62倍で、条件に合います。BCは、ABの0.382倍から0.886倍です。Cが157円80銭なら、BCは42銭で、ABの約0.68倍なので、条件に合います。

そして、Dの位置は、XAの0.786倍をAから戻したあたりです。158円から78銭6厘下がった、157円21銭あたりがDの目安になります。このように、XからCまでの形ができると、Dが来そうな価格を前もって計算できます。

PRZとは
このDが来そうな価格帯を、PRZといいます。PRZは、ポテンシャル・リバーサル・ゾーンの略で、反転が起こりやすいと考えられている価格帯、という意味です。一般的には、価格がPRZまで来てDができると、そこから反転しやすいという見方をします。

買いパターンと売りパターン
Dが安値になる形は、Dから上がることを想定するので、買いパターンです。Dが高値になる形は、Dから下がることを想定するので、売りパターンです。

見つけるパターンは10種類
このインジケーターで見つけるのは、ガートレー、バット、オルタネート・バット、バタフライ、クラブ、ディープ・クラブ、シャーク、サイファー、5-0、AB=CDの10種類です。パターンによって、Bの戻しの深さや、Dの位置の比率が違います。

たとえば、バットは、DがXAの0.886倍です。クラブは、DがXを大きく越えて、XAの1.618倍の位置です。AB=CDは、Xを使わない4つの点の形で、ABとCDの長さが同じになる形です。

比率の許容誤差
比率には、許容誤差があります。初期設定は10パーセントで、決まった比率の前後1割の範囲なら、パターンとして見つけます。

5つの点の見つけ方
このインジケーターは、左右それぞれ5本のローソク足よりも高い高値と、安い安値を探して、点の候補にします。

さらに、ATRを使って、小さすぎる波は使わないようにしています。ATRは、アベレージ・トゥルー・レンジの略で、ローソク足1本が、平均してどれくらい動くかを表す値です。初期設定では、ATRの1倍より小さい波は、波として数えません。そして、高値と安値が交互に並ぶように、点をつないでいきます。

MT4とMT5の両方に対応
ハーモニックパターン検出インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
左上の表示
チャートの左上には、「ハーモニック検出(確定スイングのみ)」と表示され、その横に、完成したパターンの数と、形成中のパターンの数が出ています。完成の数には、画面に表示していない古いパターンも含まれています。

パターンの線と三角形
見つかったパターンは、5つの点を結んだ線で表示されます。買いパターンは青の線、売りパターンは赤の線です。XAとABでできる三角形と、BCとCDでできる三角形は、買いパターンは暗い青、売りパターンは暗い赤で塗られます。
それぞれの点には、X、A、B、C、Dの文字が出ます。Dの文字の横には、「ガートレー(買い)」のように、パターンの名前と、買いか売りかが表示されます。
下の画像は、AB=CDの買いパターンです。AB=CDはXを使わない4つの点の形なので、A、B、C、Dの4つの点が青の線で結ばれ、Dの横に「AB=CD(買い)」と表示されています。

5つの点でできるパターンや、売りパターンの形は、上の「買いパターンと売りパターン」の図のようになります。
比率の数字
点と点を結ぶ、灰色の点線と数字は、フィボナッチ比率です。
- XとBを結ぶ点線の数字は、ABがXAの何倍か
- AとCを結ぶ点線は、BCがABの何倍か
- BとDを結ぶ点線は、CDがBCの何倍か
- XとDを結ぶ点線は、Dまでの戻しがXAの何倍か
を表します。シャークとサイファーでは、XとDの間に、CDがXCの何倍かが表示されます。AB=CDでは、BとDの間に、CDがABの何倍かが表示されます。
さきほどのガートレーの例なら、XとBの間に0.620、AとCの間に0.677、BとDの間に1.405、XとDの間に0.790と表示されます。

PRZと目標の線
Dのまわりにある、茶色の四角がPRZです。四角の横に、PRZという文字が出ます。PRZは、Cの位置から、Dの15本先まで伸びています。
Dから右へ伸びる、緑の破線が目標の線です。目標1は、ADの0.382倍を、Dから戻した価格です。目標2は、ADの0.618倍を戻した価格です。
さきほどのガートレーの例では、Aが158円、Dが157円21銭なので、ADは79銭です。79銭の0.382倍は約30銭なので、目標1は、約157円51銭です。79銭の0.618倍は約49銭なので、目標2は、約157円70銭です。

無効の目安
オレンジ色の点線は、無効の目安の線です。PRZの外側に、許容誤差の分だけ離して引いています。さきほどの例なら、PRZの下の端の外側に、XAの1円の1割、つまり10銭離した位置です。価格がこの線を越えると、パターンの形が崩れたという目安になります。

完成したパターンは、新しいものから10個まで表示されます。
形成中のパターン
XからCまでの比率が合っていて、まだDができていない形があると、Dが来そうなPRZを先に表示します。XからCまでの線は細い破線で表示され、Cから、PRZの真ん中に向かって点線が伸びます。
PRZの横には、「形成中 ガートレー(買い)」のように名前が出て、PRZの価格の範囲も表示されます。価格がPRZに入ると、その文字の後ろに「到達」と表示されます。価格がCを越えた時や、PRZを大きく抜けた時は、形が崩れたとみなして、表示が消えます。
形成中のパターンは、いつも出るわけではなく、条件に合う形がある時だけ表示されます。
点の確定と描き直し
初期設定では、確定したスイングだけ使う、というモードになっています。スイングとは、波の高値と安値のことです。Dの点は、そこから反対方向に、ATRの1倍以上動いた時点で確定します。
確定した点は、あとから動かないので、一度出たパターンが描き直されることはありません。その代わり、パターンが表示されるのは、Dから少し反対に動いたあとになります。
パラメーターで「作りかけの最後の波も使う」に変えると、まだ確定していない波もDとして使います。早く表示されますが、価格が動くとDの位置が変わるので、パターンが描き直されたり、消えたりします。確定していないパターンは、線が細い破線になり、名前の後ろに「未確定」と表示されます。
通知の機能
通知は、パターンが完成した時に届きます。確定したスイングだけ使うモードでは、Dが確定した時点で通知します。パラメーターでオンにすると、形成中のパターンで、価格がPRZに入った時にも通知できます。
通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。初期設定では、ポップアップと音がオンで、メールとプッシュ通知はオフになっています。インジケーターを入れた時に、過去のパターンで通知が鳴ることはありません。

ハーモニックパターン検出インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「Harmonic.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_Harmonic.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_Harmonic」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「Harmonic_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_Harmonic.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_Harmonic」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。



| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ID | 1 | 同じチャートに設定違いで2つ入れるときは、別の値にしてください。 |
| スイングの使い方 | 確定したスイングだけ使う(描き直さない) | 「作りかけの最後の波も使う(早いが描き直す)」に変えると、まだ確定していない波もDとして使います。 |
| スイングの判定本数 | 5 | 左右それぞれ何本のローソク足より高い高値・安い安値を、点の候補にするかです。 |
| 波の最小の大きさ(ATRの倍率) | 1.0 | ATRの何倍より小さい波を数えないかです。0にすると制限なしになります。 |
| ATR期間 | 14 | ATRを計算するローソク足の本数です。 |
| 計算する本数 | 3000 | 何本前のローソク足まで計算するかです。 |
| フィボ比率の許容誤差(%) | 10.0 | 小さくすると、比率がぴったり合った形だけになります。大きくすると、見つかる数は増えますが、形がくずれたものも含まれやすくなります。 |
| 表示する完成パターンの数(新しい順) | 10 | 新しいものから何個まで表示するかです。 |
| 検出するパターン(ガートレー〜AB=CDの10種類) | すべてtrue | 10種類それぞれ、検出するかどうかを選べます。 |
| 形成中のパターンとPRZを表示・フィボ比率の数字を表示・目標ラインと無効の目安を表示 | すべてtrue | それぞれ表示するかどうかを選べます。 |
| ジグザグを表示 | false | trueにすると、見つけた高値と安値を結んだ灰色の線も表示されます。 |
| 左上に検出数を表示 | true | 左上の、完成と形成中のパターンの数の表示です。 |
| PRZの箱を右へ伸ばす本数 | 15 | PRZの四角を、Dから何本先まで伸ばすかです。 |
| 三角形を塗りつぶす | true | falseにすると、三角形の塗りつぶしを表示しません。 |
| 線・塗り・PRZ・比率・目標・無効の目安・ジグザグの色、線の太さ、文字の大きさ | 買いの線 DodgerBlue・売りの線 赤/太さ2/文字8 | それぞれの色と、パターンの線の太さ、文字の大きさを変えられます。 |
| パターンが完成したら通知 | true | パターンが完成した時に通知します。 |
| 形成中のパターンで価格がPRZに入ったら通知 | false | trueにすると、形成中のパターンで価格がPRZに入った時にも通知します。 |
| ポップアップ・音・メール・プッシュ通知 | ポップアップと音がtrue、メールとプッシュ通知がfalse | メールとプッシュ通知は、MT4・MT5側の設定が必要です。音ファイルは初期設定で alert.wav です。 |
使うときの注意点
- ハーモニックパターンは、波の比率から、反転しやすいと考えられている価格帯を示すものです。PRZで必ず反転するわけではなく、そのまま抜けていくこともあります。
- 目標の線は、ADの長さから計算した目安で、その価格まで動くことを示すものではありません。
- 確定したスイングだけ使うモードでは、パターンが表示されるのは、Dから反対にATR1倍分動いたあとです。
- 作りかけの波も使うモードでは、パターンが描き直されることがあります。
- チャートの時間足や、スイングの判定本数、許容誤差によって、見つかるパターンは変わります。
ハーモニックパターン検出インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 一度出たパターンが描き直されることはありますか?
初期設定の「確定したスイングだけ使う」モードでは、確定した点はあとから動かないので、一度出たパターンが描き直されることはありません。「作りかけの最後の波も使う」モードにすると、早く表示されますが、パターンが描き直されたり、消えたりします。
Q. 形成中のパターンが表示されないのはなぜですか?
形成中のパターンは、いつも出るわけではなく、XからCまでの比率が合っていて、まだDができていない形がある時だけ表示されます。価格がCを越えた時や、PRZを大きく抜けた時も、形が崩れたとみなして表示が消えます。
Q. 見つかるパターンの数を変えられますか?
変えられます。パラメーターの「フィボ比率の許容誤差」を小さくすると、比率がぴったり合った形だけになり、大きくすると見つかる数は増えます。10種類のパターンは、それぞれオンとオフも選べます。
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まとめ
今回は、ハーモニックパターンの考え方と、ハーモニックパターンをチャートから自動で見つける無料の「ハーモニックパターン検出インジケーター」を紹介しました。
ハーモニックパターンは、X・A・B・C・Dの5つの点でできた波の比率が、決まった数字の組み合わせになっている形で、XからCまでの形ができると、Dが来そうな価格帯(PRZ)を前もって計算できます。ハーモニックパターン検出インジケーターを使えば、10種類のパターンと、PRZ・目標の線・無効の目安をチャートで確認できます。
ハーモニックパターンをチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。




