ワイコフ理論は、100年ほど前にアメリカのリチャード・ワイコフがまとめた相場の見方です。レンジの中で少しずつ買い集める「蓄積」と、高いところのレンジで少しずつ売っていく「分散」という考え方があります。
この記事では、ワイコフ理論の4つの局面と、蓄積の中で起きる出来事の見方を、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、出来高からレンジの始まりと終わりを自動で見つける「ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- ワイコフ理論では、蓄積・上昇・分散・下落の4つの局面を繰り返す、というのが基本の形です。
- 「ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーター」は、出来高と値幅が平均より大きいローソク足をSC(売りのクライマックス)と判定し、そこからレンジを決めます。
- 蓄積のレンジは暗い緑の四角、分散のレンジは暗い赤の四角で塗られ、PS・SC・AR・ST・スプリング・SOS・LPSなどの出来事に略称と日本語のラベルが付きます。
- SOSが出ると、上昇(マークアップ)の局面名と、値幅の目標の線を表示します。チャートの左上のパネルには、今の局面と次の注目価格が出ます。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_Wyckoff.ex4/MT5版 MAM_Wyckoff.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | 蓄積・分散のレンジの四角、出来事のラベル(PS・SC・AR・ST・スプリング・SOS・LPSなど)、局面の名前、値幅の目標の線、情報パネル |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(SC・BC、スプリング・UT・UTAD、SOS・SOW、LPS・LPSY。AR・ST・レンジ割れも選べます) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーターを無料でダウンロードする ▼

ワイコフ理論とは?
ワイコフ理論は、100年ほど前に、アメリカのリチャード・ワイコフがまとめた相場の見方です。
大きな資金を動かす参加者は、一度にたくさん買うと値段が上がってしまうので、レンジの中で時間をかけて、少しずつ買い集めると考えられています。

蓄積・上昇・分散・下落の4つの局面
- レンジの中で買い集める局面を、蓄積、英語でアキュムレーションといいます。
- 買い集めが終わると、価格はレンジを上に抜けて、上昇の局面に入ります。これを、マークアップといいます。
- 反対に、高いところのレンジで少しずつ売っていく局面を、分散、英語でディストリビューションといいます。
- 売り終わると、価格はレンジを下に抜けて、下落の局面に入ります。これを、マークダウンといいます。
蓄積、上昇、分散、下落の4つを繰り返す、というのがワイコフ理論の基本の形です。

蓄積の中で起きる出来事
ワイコフ理論では、一つ一つの出来事に、英語の略称が付いています。
PS・SC・AR・ST
- PS(予備的な支え):下落の途中で大きな出来高が出て、下げが一度止まるところです。
- SC(売りのクライマックス):大きな出来高と大きな値幅を伴って、一番安いところを付けるローソク足です。売りたい人がまとめて売り切った場所、と考えられています。
- AR(自動反発):SCのあとに、価格が勢いよく戻るところです。SCの安値とARの高値で、レンジの下の端と上の端が決まります。
- ST(二次テスト):もう一度レンジの下の端に近づいて、SCより少ない出来高で止まるところです。

スプリング・SOS・LPS
- スプリング:レンジの下の端を一度割ったのに、すぐにレンジの中へ戻ってくる動きです。このインジケーターでは、日本語で安値割れの失敗と表示します。
- SOS(強さのサイン):出来高を伴って、レンジの上の端を抜けるところです。
- LPS(最後の押し目):上に抜けたあとの押し目が、浅いところで止まるところです。

分散の局面
分散の局面は、蓄積を上下反対にした形です。出来事の名前は、PSY、BC、AR、ST、UT、UTAD、SOW、LPSYに変わります。

インジケーターの判定のしかた(数字の例)
ここからは、ドル円が下落を続けていたとして、具体的な数字で見ていきます。
出来高と値幅
過去20本の出来高の平均が1000回で、あるローソク足の出来高が2500回だったとします。2500回は、平均の2.5倍です。MT4の出来高は、価格が動いた回数のことで、ティックボリュームと呼ばれます。
このローソク足の値幅が30pipsで、平均の値幅が20pipsなら、1.5倍です。

SCと判定する条件
さらに、安値が157円80銭で、直近20本の中で一番安い値段だったとします。このインジケーターでは、初期設定で、次の条件がすべてそろったローソク足をSCと判定します。
- 出来高が平均の2倍以上
- 値幅が平均の1.2倍以上
- 直近20本の安値を更新している
- 終値が期間50の移動平均線より下にある

ARの確定とレンジ
そのあと、価格が158円40銭まで戻り、3本の間その高値を超えなかったとします。このとき、158円40銭がARとして確定します。
ただし、SCの安値からARの高値までの高さが、ATRの2倍以上あることが条件です。ATRは、アベレージトゥルーレンジの略で、ローソク足1本あたりの平均的な値動きの大きさのことです。ATRが15pipsなら、2倍は30pipsです。157円80銭から158円40銭までは60pipsなので、条件を満たします。これで、157円80銭から158円40銭がレンジになります。

STの判定
次に、価格が157円85銭まで下がって、レンジの中で終わったとします。下の端から5pipsなので、ATRの半分の7.5pips以内です。出来高がSCより少なければ、STと判定します。

スプリングの判定
STのあと、レンジができてから20本以上たって、価格が157円70銭まで下の端を割ったとします。そこから3本以内に、終値が157円90銭のようにレンジの中へ戻れば、スプリングです。
3本以内に戻れなかったときは、レンジ割れとして、このレンジは終わりになります。

SOSとLPS
そのあと、終値が158円45銭になって、上の端を上に抜けたとします。このときの出来高が、平均の1.2倍以上あればSOSと判定して、上昇の局面に入ります。
上に抜けたあとの押し目が、レンジの半分の158円10銭より上、例えば158円25銭で止まれば、LPSです。

値幅の目標
レンジの高さの60pipsを、上の端の158円40銭に足した159円00銭が、値幅の目標として表示されます。ワイコフ理論では、レンジの中で過ごした時間が、そのあとの値動きの大きさにつながる、という考え方があり、それを目安にした線です。

MT4とMT5の両方に対応
ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
レンジの四角
蓄積と判定したレンジは、暗い緑の四角で塗られます。四角の上の端と下の端には、明るい緑の線が引かれます。四角の左上には、明るい緑の文字で「蓄積(アキュムレーション)」と表示されます。
分散と判定したレンジは、暗い赤の四角と赤の線で表示され、「分散(ディストリビューション)」と書かれます。

出来事のラベル
蓄積の出来事は、明るい緑の文字で表示されます。例えば、SCのローソク足の下には「SC(売りのクライマックス)」と表示されます。ARは「自動反発」、STは「二次テスト」、スプリングは「安値割れの失敗」と表示されます。
レンジ割れになったときは、灰色の文字で「レンジ割れ」と表示されます。

PSは「予備的な支え」と表示されます。

SOS・LPSと上昇の局面
上に抜けたSOSと、そのあとのLPSは、青い文字で表示されます。「SOS(強さのサイン)」「LPS(最後の押し目)」です。SOSが出ると、上に抜けたローソク足のところに、青い文字で「上昇(マークアップ)」と表示されます。
分散の出来事は赤い文字で、SOWとLPSYはオレンジの文字で表示されます。

値幅の目標の線
SOSが出たところから青い点線が上に伸びて、値幅の目標の価格で右に曲がります。線の右端には、「値幅の目標」と価格が書かれています。

左上のパネル
チャートの左上のパネルには、5行の情報が表示されます。
- 1行目には、「ワイコフ分析」と今の局面が表示されます。蓄積、上昇、分散、下落のどれかで、文字の色もそれぞれの局面の色になります。まだ何も見つかっていないときは、「なし(クライマックス待ち)」と表示されます。
- 2行目は、レンジの安値と高値です。
- 3行目は、黄色の文字で次の注目価格です。レンジの中にいるときは、レンジの上の端の価格と「終値で上抜けでSOS」と表示されます。上に抜けたあとは、「LPSの押し目待ち」と表示されます。
- 4行目は、最新のイベントです。一番新しい出来事の名前と、その日付と時刻が表示されます。
- 5行目は、分析した本数です。初期設定では、直近1000本を分析します。
LPSが出たあとは、次のSCを待つ状態に戻るので、レンジは「なし」と表示されますが、局面は上昇のまま表示されます。

通知の機能
初期設定で通知されるのは、SCとBC、スプリングとUTとUTAD、SOSとSOW、LPSとLPSYです。AR、ST、レンジ割れの通知は、パラメーターでオンにすると届きます。
通知には、通貨ペア、時間足、出来事の名前と価格が書かれています。通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。初期設定では、ポップアップと音がオンです。
ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「Wyckoff.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_Wyckoff.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_Wyckoff」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「Wyckoff_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_Wyckoff.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_Wyckoff」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ID | 1 | 同じインジケーターを1つのチャートに複数入れるときは、別の値にします。 |
| 分析する本数(直近から) | 1000 | 直近から何本のローソク足を分析するかです。 |
| 出来高・値幅の平均をとる本数 | 20 | 出来高と値幅を「平均の何倍か」で比べるときの、平均の本数です。 |
| 直前の流れを見る移動平均の期間 | 50 | SCは終値がこの移動平均線より下、BCは上にあることが条件です。 |
| クライマックス:直近何本の安値・高値を更新するか | 20 | SCは直近この本数の安値、BCは高値を更新していることが条件です。 |
| クライマックス:出来高が平均の何倍以上・値幅が平均の何倍以上 | 2.0・1.2 | SCとBCの条件になる、出来高の倍率と値幅の倍率です。 |
| AR・LPSの確定:その後この本数、更新されなければ確定 | 3 | ARとLPSを確定させるまでの本数です。 |
| レンジの高さの最小(ATRの何倍) | 2.0 | SCからARまでの高さが、ATRのこの倍数以上あればレンジにします。 |
| スプリング・SOSを判定し始めるまでのレンジの本数 | 20 | レンジができてから、この本数がたつまでは、スプリングとSOSを判定しません。 |
| レンジの最大の本数(超えたら打ち切り) | 300 | レンジがこの本数を超えたら打ち切ります。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 二次テスト:レンジの端にどこまで近づけばよいか(ATRの倍率) | 0.5 | STと判定する、レンジの端からの近さです。ATRが15pipsなら7.5pips以内です。 |
| スプリング・UT:レンジ内に戻るまでの本数 | 3 | この本数以内にレンジの中へ戻ればスプリング(UT)、戻れなければレンジ割れです。 |
| スプリング・UT:出来高の上限(平均の何倍まで) | 0.0 | 0は条件なしです。数字を入れると、出来高が平均のその倍数までのときだけスプリング(UT)と判定します。 |
| SOS・SOW:ブレイクの出来高が平均の何倍以上 | 1.2 | レンジを抜けたときの出来高の条件です。 |
| PS・PSY:クライマックスの何本前まで探すか・出来高が平均の何倍以上 | 30・1.5 | PS(PSY)を探す範囲と、出来高の条件です。 |
| 値幅の目標:レンジの高さの何倍を足すか | 1.0 | 1.0なら、レンジの高さをそのまま上の端(分散では下の端)に足し引きします。 |
| ATRの期間 | 14 | レンジの高さやSTの判定に使うATRの期間です。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ラベルの書き方 | 略称+日本語 | 「SC(売りのクライマックス)」のような略称と日本語の組み合わせか、「SC」のような略称だけかを選べます。 |
| PS・PSYを表示・レンジの箱を表示・局面の名前を表示・値幅の目標の線を表示 | true・true・true・true | それぞれfalseにすると、表示を消せます。 |
| 蓄積・上昇・分散・下落の色 | Lime・DodgerBlue・Red・Orange | 4つの局面の文字と線の色です。 |
| 蓄積レンジの箱の色・分散レンジの箱の色 | 暗い緑(0,45,25)・暗い赤(60,0,10) | レンジの四角の塗りの色です。 |
| 文字サイズ | 8 | ラベルとパネルの文字の大きさです。 |
| 左上の情報パネルを表示・左からの位置・上からの位置 | true・10・25 | パネルの位置はピクセルで指定します。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| SC・BC(レンジの始まり)を通知 | true | SCとBCが出たときにお知らせします。 |
| スプリング・UT・UTADを通知 | true | スプリング・UT・UTADが出たときにお知らせします。 |
| SOS・SOW(上昇・下落局面へ)を通知 | true | SOSとSOWが出たときにお知らせします。 |
| LPS・LPSYを通知 | true | LPSとLPSYが確定したときにお知らせします。 |
| AR・ST・レンジ割れも通知 | false | trueにすると、AR・ST・レンジ割れもお知らせします。 |
| ポップアップ・音 | true・true | いらないときはfalseにします。音ファイルは初期設定でalert.wavです。 |
| メール・プッシュ通知 | false・false | 使うときはtrueにします。MT4・MT5側の設定が必要です。 |
使うときの注意点
- このインジケーターは、確定したローソク足だけで判定します。ただし、AR・スプリング・LPSは、何本かあとのローソク足で確定してから、過去のローソク足にラベルが付きます。そのため、ラベルが付いているローソク足と、通知が届くタイミングはずれます。
- ARが確定する前に安値を更新したときは、SCのラベルは、新しい安値のローソク足に付け直されます。
- ワイコフ理論の出来事の見方は人によって違い、このインジケーターは、決まった条件で機械的に判定した結果を表示しています。
- SOSが出ても、その方向に動き続けるとは限りません。
- 値幅の目標の線も、レンジの高さから計算した目安で、その価格まで動くことを示すものではありません。
ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. ラベルがあとから付くことはありますか?
あります。AR・スプリング・LPSは、何本かあとのローソク足で確定してから、過去のローソク足にラベルが付きます。また、ARが確定する前に安値を更新したときは、SCのラベルが新しい安値のローソク足に付け直されます。
Q. ラベルを略称だけにできますか?
できます。パラメーターの「ラベルの書き方」で、「SC(売りのクライマックス)」のような略称と日本語の組み合わせか、「SC」のような略称だけかを選べます。
Q. 通知を止めたいときはどうすればいいですか?
初期設定では、SC・BC、スプリング・UT・UTAD、SOS・SOW、LPS・LPSYが出たときに、ポップアップと音でお知らせします。いらないときは、パラメーターの「ポップアップで通知」と「音を鳴らす」をfalseにしてください。
ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーターの無料ダウンロードはこちら
まとめ
今回は、ワイコフ理論の4つの局面と蓄積の中で起きる出来事の考え方、出来高からレンジの始まりと終わりを自動で見つける無料の「ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーター」を紹介しました。
ワイコフ理論では、蓄積・上昇・分散・下落の4つの局面を繰り返す、と考えます。ワイコフ理論・アキュムレーション自動検出インジケーターを使えば、決まった条件で判定した蓄積・分散のレンジが四角で塗られ、SC・AR・ST・スプリング・SOS・LPSなどの出来事にラベルが付き、今の局面と次の注目価格がパネルに表示されます。
ワイコフ理論の出来事を、実際のチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。




