移動平均線は、チャートの流れを見るときによく使われる線です。今の価格が、この移動平均線から何パーセント離れているかを表した数字を、移動平均線乖離率といいます。
この記事では、移動平均線と乖離率の考え方と、乖離率の計算のしかたを、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、移動平均線からの離れ具合をパーセントで表示する「移動平均線乖離率インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- 乖離率は、今の価格が移動平均線から何パーセント離れているかを表した数字です。終値から移動平均を引いて、移動平均で割り、100を掛けて計算します。
- 「移動平均線乖離率インジケーター」は、チャートの下の窓に乖離率を緑と赤の棒で表示します。初期設定は期間25の単純移動平均です。
- 上のチャートには、移動平均から±0.5%と±1%の点線のバンドを描きます。
- 上位足(初期設定は4時間足)の乖離率を黄色い線で重ねて表示し、窓の左上に今の乖離率を表示します。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | 移動平均線乖離率インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_MADeviation.ex4/MT5版 MAM_MADeviation.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | 下の窓に乖離率の棒と線・水準線・上位足の乖離率・今の乖離率、上のチャートに移動平均線と±%のバンド |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(確定したローソク足で乖離率が水準に届いた時。上位足が届いた時、0をまたいだ時も選べます) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |

移動平均線とは?
移動平均線とは、過去何本かのローソク足の終値の平均を、線でつないだものです。

数字の例
たとえば、ドル円の5本の終値が、158円10銭、158円20銭、158円30銭、158円40銭、158円50銭だったとします。5つを足して5で割ると、158円30銭です。これが、5本の移動平均の値になります。

期間と単純移動平均
平均に使う本数のことを、期間といいます。このインジケーターでは、初期設定で期間25の単純移動平均を使います。単純移動平均は、SMAとも呼ばれ、すべての終値を同じ重さで平均したものです。

移動平均線乖離率とは?
乖離とは、離れている、という意味です。乖離率とは、今の価格が移動平均線から何パーセント離れているかを表した数字です。
計算は、今の終値から移動平均を引いて、移動平均で割り、100を掛けます。

計算の例
たとえば、移動平均が158円00銭で、終値が158円79銭だったとします。差は79銭で、158円で割って100を掛けると、乖離率はプラス0.5パーセントです。
終値が移動平均より上にあればプラス、下にあればマイナスになります。

なぜ値幅ではなく、パーセントで見るのか
同じ1円の差でも、価格が158円のドル円と、価格が1.1ドルほどのユーロドルでは、意味が大きく違います。パーセントにすると、価格の大きさが違う通貨ペアどうしでも、同じものさしで比べやすくなります。

乖離率の一般的な見方
一般的には、乖離率が大きくなりすぎると、価格が移動平均線に引き戻されやすい、という見方をします。平均から離れすぎた状態を、行き過ぎと考えるためです。反対に、乖離率が0に近いときは、価格が移動平均線の近くにある状態です。

MT4とMT5の両方に対応
移動平均線乖離率インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
移動平均線と水準1の線
上のチャートでは、ローソク足に重なって、銀色の点線が表示されます。これが、期間25の移動平均線です。その上下にある青い点線が、移動平均からプラスマイナス0.5パーセントの線です。

水準2の線
さらに外側のオレンジ色の点線が、プラスマイナス1パーセントの線です。初期設定の水準1が0.5パーセント、水準2が1パーセントです。
たとえば、移動平均が158円00銭なら、プラス0.5パーセントの線は158円79銭、プラス1パーセントの線は159円58銭です。

線の右端のパーセント
線の右端には、「+0.50%」のように、それぞれの線のパーセントが表示されます。これらの線は、直近の300本に描かれます。

下の窓の棒と線
チャートの下の窓に、乖離率の動きが表示されます。0より上の緑の棒は、価格が移動平均線より上にあるとき、0より下の赤い棒は、価格が移動平均線より下にあるときです。棒の先を結んだ白い線も表示されます。

水準線
下の窓の真ん中の灰色の実線が0、上下の点線が、プラスマイナス0.5パーセントとプラスマイナス1パーセントの水準線です。

上位足の乖離率
窓の中の黄色い太い線は、上位足の乖離率です。初期設定の上位足は、4時間足です。1時間足のチャートで見ているときに、4時間足で見た乖離率も一緒に確かめられます。

今の乖離率の表示
窓の左上には、今の乖離率が表示されます。1行目が今の時間足、2行目が上位足の乖離率です。
- 今の時間足の文字の色は、水準1の0.5パーセントに届くと青、水準2の1パーセントに届くとオレンジ色に変わります。
- 上位足の文字は、黄色で表示されます。

通知の機能
通知は、確定したローソク足で、乖離率が水準に届いたときに届きます。初期設定では、水準1と水準2の両方が対象です。たとえば、乖離率が0.4パーセントから0.6パーセントに変わったローソク足が確定すると、プラス0.5パーセントに届いた、という通知が届きます。
通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。初期設定では、ポップアップと音がオンです。パラメーターでオンにすると、上位足の乖離率が水準に届いたときや、乖離率が0をまたいだとき(価格が移動平均線を上に抜けたとき・下に抜けたとき)にも、通知を受け取れます。
移動平均線乖離率インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「MADeviation.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_MADeviation.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_MADeviation」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「MADeviation_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_MADeviation.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_MADeviation」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ID | 1 | 同じインジケーターを1つのチャートに複数入れるときは、別の値にします。 |
| 移動平均の期間 | 25 | 乖離率の計算に使う移動平均の期間です。 |
| 移動平均の種類 | 単純移動平均(SMA) | SMA、指数移動平均のEMA、平滑移動平均のSMMA、加重移動平均のLWMAの4つから選べます。 |
| 計算に使う価格 | 終値 | 移動平均の計算に使う価格です。 |
| 乖離率の水準1・水準2 | 0.5・1.0 | パーセントで指定します(上下とも同じ値)。通貨ペアや時間足によって乖離率の大きさは変わるので、見ているチャートに合わせて調整できます。 |
| 計算する本数の上限 | 3000 | 乖離率を計算するローソク足の本数です。 |
| 上位足の乖離率を重ねる | true | 下の窓に、黄色い線で上位足の乖離率を表示します。 |
| 上位足 | 4時間足 | 5分足から月足までの中から選べます。今の時間足より長い時間足を選んでください。同じか短い時間足を選ぶと、窓の左上に案内が表示されます。 |
| 上位足は確定した足の値だけ使う | false | trueにすると、1本前の確定した上位足の値を使うので、あとから描き直されなくなります。 |
| 上位足の乖離率の色・太さ | Gold・2 | 黄色い線の色と太さです。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ヒストグラムで表示する・線で表示する | true・true | 下の窓の棒と白い線を、それぞれ表示するかどうかです。 |
| プラス・マイナスの色 | 緑・赤 | 移動平均より上(プラス)と下(マイナス)の棒の色です。 |
| 乖離率の線の色・水準線の色 | White・DimGray | 白い線と水準線の色です。 |
| 今の乖離率を表示・文字サイズ | true・9 | 窓の左上の、今の乖離率の表示です。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| メインチャートに移動平均±%のバンドを描く | true | 上のチャートのバンドを表示するかどうかです。 |
| バンドを描く本数(直近) | 300 | 直近の何本にバンドを描くかです。 |
| 移動平均そのものも描く・水準2のバンドも描く | true・true | falseにすると、移動平均線や水準2の線を消せます。 |
| 移動平均・水準1・水準2の色 | Silver・DodgerBlue・OrangeRed | それぞれの線の色です。 |
| バンドの線種 | 点線 | 実線・破線・点線から選べます。 |
| バンドの右端に%を表示 | true | 線の右端の「+0.50%」などの文字です。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 乖離率が水準に届いた時に通知(確定足) | true | 確定したローソク足で、乖離率が水準に届いたときにお知らせします。 |
| 通知に使う水準 | 水準1と水準2の両方 | 水準1だけ・水準2だけ・両方から選べます。 |
| 上位足の乖離率が水準に届いた時も通知 | false | trueにすると、上位足の乖離率でもお知らせします。 |
| 乖離率が0をまたいだ時に通知 | false | trueにすると、価格が移動平均線を上に抜けたとき・下に抜けたときにお知らせします。 |
| ポップアップ・音 | true・true | いらないときはfalseにします。音ファイル名はalert.wavです。 |
| メール・プッシュ通知 | false・false | 使うときはtrueにします。MT4・MT5側の設定が必要です。 |
使うときの注意点
- 乖離率が大きくなっても、すぐに移動平均線へ戻るとは限りません。強い流れが出ているときは、乖離率が大きいまま動き続けることがあります。
- 上位足の黄色い線は、初期設定では、上位足のローソク足が確定するまでの間、値が変わります。過去の部分は、その上位足が確定したときの値で描かれています。パラメーターの「上位足は確定した足の値だけ使う」をtrueにすると、1本前の確定した値を使うので、あとから描き直されなくなります。
- 左上の今の乖離率も、今動いているローソク足の値なので、確定するまでの間に変わることがあります。
移動平均線乖離率インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 乖離率の水準は変えられますか?
変えられます。初期設定は水準1が0.5パーセント、水準2が1パーセントです。通貨ペアや時間足によって乖離率の大きさは変わるので、見ているチャートに合わせて調整できます。
Q. 上位足の黄色い線が、あとから変わることはありますか?
初期設定では、上位足のローソク足が確定するまでの間、値が変わります。パラメーターの「上位足は確定した足の値だけ使う」をtrueにすると、1本前の確定した値を使うので、あとから描き直されなくなります。
Q. 通知を止めたいときはどうすればいいですか?
初期設定では、確定したローソク足で乖離率が水準に届いたときに、ポップアップと音でお知らせします。いらないときは、パラメーターの「ポップアップで通知」と「音を鳴らす」をfalseにしてください。
移動平均線乖離率インジケーターの無料ダウンロードはこちら
まとめ
今回は、移動平均線と乖離率の考え方と、移動平均線からの離れ具合をパーセントで表示する無料の「移動平均線乖離率インジケーター」を紹介しました。
乖離率は、今の価格が移動平均線から何パーセント離れているかを表した数字です。移動平均線乖離率インジケーターを使えば、下の窓の棒と上のチャートの±%のバンドで乖離率を確かめられ、上位足の乖離率も一緒に見られます。
価格と移動平均線の離れ具合をチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。




