移動平均線は、チャートの流れを見るときによく使われる線です。ふつうの移動平均線は期間が決まっていますが、相場の状態に合わせて期間が自動で変わる移動平均線もあります。これを、適応型移動平均線と呼びます。
この記事では、適応型移動平均線・KAMA・効率比の考え方と、線の色分けのしかたを、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、相場の状態に合わせて速さが自動で変わる移動平均線を描く「KAMA・適応型移動平均線インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- 適応型移動平均線は、トレンドがはっきりしているときはすばやく、もみ合いのときはゆっくり動く移動平均線です。
- 初期設定のKAMAは、価格がどれだけまっすぐ動いたかを表す効率比で、線の速さを変えます。
- 線の傾きで、上向き(青)・下向き(オレンジがかった赤)・横ばい(金色)の3色に色分けします。
- 線の向きが転換したローソク足に矢印を出し、チャートの左上のパネルに今の向き・効率比・線との差を表示します。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | KAMA・適応型移動平均線インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_AdaptiveMA.ex4/MT5版 MAM_AdaptiveMA.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | 傾きで3色に色分けした適応型移動平均線(KAMA/VIDYA)、向きの転換の矢印、状態パネル、ATRの帯(初期設定はオフ) |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(線が上向き・下向きに転換した時。横ばいになった時も選べます) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
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移動平均線とは?
移動平均線とは、過去何本かのローソク足の終値の平均を、線でつないだものです。平均に使う本数のことを、期間といいます。
期間が短い線は、価格の動きにすばやくついていきますが、もみ合いの相場では細かく上下に揺れます。期間が長い線は、揺れにくい代わりに、価格の動きから遅れて動きます。ふつうの移動平均線は、期間が決まっているので、この2つの性質のどちらかを選ぶことになります。

適応型移動平均線とは?
適応型移動平均線とは、相場の状態に合わせて、期間が自動で変わる移動平均線のことです。トレンドがはっきりしているときは、期間の短い線のようにすばやく動き、もみ合いのときは、期間の長い線のようにゆっくり動きます。
このインジケーターでは、初期設定でKAMAという計算方法を使います。KAMAは、カウフマン適応型移動平均の略です。

KAMAで使う効率比
効率比とは
効率比とは、価格がどれだけまっすぐ動いたかを、0から1の数字で表したものです。初期設定では、直近10本で計算します。10本前から今までに動いた幅を、1本ごとの動きの幅を全部足したもので割ります。
効率比が1に近いほどトレンドがはっきりしていて、0に近いほどもみ合っている、と考えます。

効率比の例
たとえば、ドル円が10本続けて2銭ずつ上がり、158円00銭から158円20銭まで動いたとします。動いた幅は20銭、1本ごとの動きの合計も20銭なので、効率比は、20割る20で1です。
反対に、上がったり下がったりをくり返して、1本ごとの動きの合計が40銭なのに、10本前から4銭しか動いていなければ、効率比は、4割る40で0.1です。

効率比で線の速さが変わる仕組み
KAMAは、1本ごとに、今の線と価格の差の何割かだけ、線を価格に近づけます。初期設定では、効率比が1のときが一番速く、差の約44パーセントだけ近づきます。
たとえば、線が158円00銭で、価格が158円20銭なら、差の20銭の約44パーセントで、約9銭近づきます。

効率比が0のときは、期間30の移動平均線よりもさらに遅くなり、差の約0.4パーセントしか近づかないので、線はほとんど動きません。そのため、もみ合いでは線が平らになりやすく、トレンドでは価格にすばやくついていきます。

線の色分け
このインジケーターでは、線の傾きで、上向き・下向き・横ばいの3つに分けます。傾きを比べる基準には、ATRを使います。ATRは、アベレージトゥルーレンジの略で、ローソク足1本あたりの、平均的な値動きの大きさのことです。
初期設定では、線が1本で動いた幅が、ATRの0.03倍より大きく上がれば上向き、0.03倍より大きく下がれば下向き、その間なら横ばいです。たとえば、ATRが20pipsなら、0.03倍は0.6pipsです。線が1本で0.6pipsより大きく上がれば上向き、動きが0.6pips以内なら横ばいになります。

MT4とMT5の両方に対応
KAMA・適応型移動平均線インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
線の3色
ローソク足に重なって、太い線が1本表示されます。これが、適応型移動平均線です。線は、傾きによって3色に色分けされます。
- 青は、上向きです。
- オレンジがかった赤は、下向きです。
- 金色は、横ばいです。
もみ合いの場面では、線が平らになって、金色の部分が長く続きます。

向きの転換の矢印
線の向きが、下向きから上向きに変わったローソク足には、ローソク足の下に黄緑の上向き矢印が出ます。上向きから下向きに変わったローソク足には、ローソク足の上に赤の下向き矢印が出ます。
横ばいは、向きの転換には数えません。たとえば、下向きから横ばいになり、その後上向きになったときは、上向きの矢印が出ます。上向きから横ばいになり、また上向きに戻ったときは、矢印は出ません。
初期設定では、確定したローソク足だけで矢印を出すので、一度出た矢印が消えることはありません。

状態パネル
チャートの左上のパネルには、4行の情報が表示されます。
- 1行目には、「適応型MA」と書かれていて、かっこの中に計算方法と設定の値が出ます。初期設定では、KAMAの10、2、30です。
- 2行目は、今の線の向きです。上向きは青、下向きはオレンジがかった赤、横ばいは金色で表示され、かっこの中には、その向きが何本続いているかが出ます。
- 3行目は、効率比です。0.5以上のときは「トレンド寄り」、0.2以下のときは「レンジ寄り」と書き添えられます。レンジとは、もみ合いのことです。
- 4行目は、MAとの差です。今の価格が線から何pips離れているかが出ます。価格が線より上ならプラス、下ならマイナスです。
パネルの数字は、今動いているローソク足のものなので、確定するまでの間に変わることがあります。

通知の機能
通知は、線が上向きや下向きに転換したときに届きます。通知には、通貨ペアと時間足、転換の向き、そのときの価格と線の価格が書かれています。パラメーターでオンにすると、線が横ばいになったときにも通知を受け取れます。
通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。初期設定では、ポップアップと音がオンです。
KAMA・適応型移動平均線インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「AdaptiveMA.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_AdaptiveMA.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_AdaptiveMA」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「AdaptiveMA_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_AdaptiveMA.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_AdaptiveMA」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ID | 1 | 同じインジケーターを1つのチャートに複数入れるときは、別の値にします。 |
| 計算方式 | KAMA | KAMA(効率比で速さが変わる)とVIDYA(CMOの勢いで速さが変わる)から選べます。 |
| 使う価格 | 終値 | 終値、中値(高値と安値の真ん中)、代表値、加重終値から選べます。 |
| 効率比の本数 | 10 | KAMAの効率比を計算する本数です。 |
| 速いときの期間・遅いときの期間 | 2・30 | KAMAで、効率比が1のとき(トレンド時)と0のとき(レンジ時)の速さを決める期間です。 |
| 基本の期間(EMAの期間)・勢い(CMO)の本数 | 12・9 | VIDYAを選んだときに使います。CMOは、一定の本数の上がった幅と下がった幅を比べて、勢いの強さを表すものです。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 横ばいとみなす傾き | 0.03 | 線が1本で動いた幅が、ATRのこの倍率以内なら横ばいとします。 |
| ATR期間 | 14 | 傾きの判定とATRの帯に使うATRの期間です。 |
| 矢印・通知を出すローソク足 | 確定したローソク足だけ | 今動いているローソク足でも出す設定もありますが、その場合、矢印が後から消えることがあります。 |
| 計算する本数 | 3000 | 直近の何本で計算するかです。 |
| 上向き・下向き・横ばいの色、線の太さ | DodgerBlue・OrangeRed・Gold・3 | 線の3色と太さを変えられます。 |
| 転換の矢印を表示・矢印の色 | true・Lime/Red | 上向き転換と下向き転換の矢印の色です。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 矢印の大きさ・矢印とローソク足の間隔 | 2・0.5 | 間隔はATRの倍率で指定します。 |
| ATRの帯を表示・帯の幅・帯の色 | false・1.5・SlateGray | trueにすると、線の上と下に、ATRの幅の点線を表示します。幅は初期設定でATRの1.5倍です。 |
| 状態パネルを表示・位置・文字サイズ | true・10・25・9 | パネルの位置はピクセルで指定します。 |
| 上向き・下向きへの転換で通知 | true | 線の向きが転換したときにお知らせします。 |
| 横ばいになったら通知 | false | trueにすると、横ばいになったときにもお知らせします。 |
| ポップアップ・音 | true・true | いらないときはfalseにします。音ファイルは alert.wav です。 |
| メール・プッシュ通知 | false・false | 使うときはtrueにします。MT4・MT5側の設定が必要です。 |
使うときの注意点
- 適応型移動平均線も、過去の価格から計算するので、実際の値動きより少し遅れて動きます。
- 線の向きが変わって矢印が出ても、その方向に動き続けるとは限りません。
- もみ合いから急に動き出したときは、効率比が上がるまで線がゆっくり動くので、向きが変わるのが遅れることがあります。
- 横ばいとみなす傾きの大きさによって、色分けや矢印の出方が変わります。
KAMA・適応型移動平均線インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 一度出た矢印が、あとから消えることはありますか?
初期設定では、確定したローソク足だけで矢印を出すので、一度出た矢印が消えることはありません。今動いているローソク足でも矢印を出す設定にした場合は、矢印が後から消えることがあります。
Q. KAMAのほかの計算方法も使えますか?
使えます。パラメーターの「計算方式」で、KAMAとVIDYAから選べます。VIDYAは、CMOという勢いの指標を使って速さを変える方法で、上がり方か下がり方のどちらかに偏っているほど、線がすばやく動きます。
Q. 通知を止めたいときはどうすればいいですか?
初期設定では、線が上向き・下向きに転換したときに、ポップアップと音でお知らせします。いらないときは、パラメーターの「ポップアップで通知」と「音を鳴らす」をfalseにしてください。
KAMA・適応型移動平均線インジケーターの無料ダウンロードはこちら
まとめ
今回は、適応型移動平均線・KAMA・効率比の考え方と、相場の状態に合わせて速さが自動で変わる移動平均線を描く無料の「KAMA・適応型移動平均線インジケーター」を紹介しました。
適応型移動平均線は、トレンドがはっきりしているときはすばやく、もみ合いのときはゆっくり動く移動平均線です。KAMA・適応型移動平均線インジケーターを使えば、線の傾きが上向き・下向き・横ばいの3色で色分けされ、向きが転換したローソク足には矢印が出ます。
移動平均線の速さが効率比で変わる様子を、チャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。




