ある通貨が急に買われ始めたり、売られ始めたりしたとき、その「動き出しの瞬間」に気付けると、チャートを見るときの手がかりになります。
この記事では、通貨の強さが急に動いたことを表すインパルスの考え方を、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、主要8通貨のインパルスを線で表示し、いつもより速く動いたときに知らせるインジケーター「通貨インパルス」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- インパルスは、通貨の強さがローソク足1本の間にどれだけ動いたか、つまり強さが変わる速さです。
- 「通貨インパルス」は、主要8通貨のインパルスを28の通貨ペアから計算し、サブウインドウに線で表示します。
- インパルスがトリガー(初期設定は勢いの目安の23)を超えると、矢印と通知で知らせます。
- 左上のパネルに、一番強く上昇・下落している通貨と、候補の通貨ペアが表示されます。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | 通貨インパルス(ファイル名:MT4版 MAM_CurrencyImpulse.ex4/MT5版 MAM_CurrencyImpulse.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 対象の通貨 | 米ドル・円・ユーロ・ポンド・豪ドル・ニュージーランドドル・カナダドル・スイスフラン(28の通貨ペアから計算) |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知 |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |

通貨の強さのおさらい
1つの通貨が、ほかの通貨全体に対してどれだけ買われているかを表したものが、通貨の強さです。ドルが買われていればドルが強い、円が売られていれば円が弱い、と考えます。

通貨インパルスは、ユーロ・ポンド・豪ドル・ニュージーランドドル・米ドル・カナダドル・スイスフラン・円の8つの通貨の強さを、この8つの通貨を組み合わせた28の通貨ペアの値動きから計算します。通貨ペアごとに、今の終値が過去の終値の平均からどれだけ離れているかを調べ、通貨ごとに平均して、なめらかにしています。
通貨の強さの考え方は、「通貨強弱メーター」の記事で詳しく解説しています。
インパルスとは?
インパルスは英語で、瞬間的な勢い、という意味です。このインジケーターでは、通貨の強さが、ローソク足1本の間にどれだけ動いたかをインパルスと呼んでいます。つまり、強さそのものではなく、強さが変わる速さを見ています。
車で例えると、通貨の強さが車のいる場所だとすると、インパルスは車のスピードにあたります。同じ場所にいる車でも、止まっている車と、走り出した車があります。インパルスは、通貨が走り出した瞬間をとらえるためのものです。

例:ドルが一気に買われたとき
- ドル円が158円前後でしばらく横ばいのときは、ドルも円も強さがあまり変わらないので、インパルスはゼロの近くにあります。
- アメリカの経済指標などをきっかけにドルが一気に買われ、ドル円がローソク足1本で158円から158円60銭まで上がったとします。ほかのドルの通貨ペアでも同じようにドルが買われていれば、ドルの強さが1本で大きく上がり、ドルのインパルスはゼロから大きく上に跳ね上がります。
- その後、158円60銭の近くで止まると、ドルの強さは高いままでも変化が小さくなるので、インパルスはゼロの近くに戻ります。

強さの線との違い
強さの線は、強い状態が続くとゼロより上にあり続けます。インパルスは、動いた瞬間だけ大きくなり、動きが止まるとゼロの近くに戻ります。そのため、強さの線よりも動き出しに気付きやすいという特徴があります。その代わり、線は細かく上下するので、どのくらい大きければ注目するのか、という基準が必要になります。

勢いの目安とトリガー
勢いの目安は、インパルスの大きさを測る目盛りです。過去200本の間の、8つの通貨のインパルスの大きさの平均をもとに、100の大きさを決めています。23や50などの数字は、フィボナッチという相場でよく使われる比率から取っています。相場全体の動きが大きい時期は目盛りが広くなり、静かな時期は狭くなります。
トリガーは、初期設定では勢いの目安の23の高さです。インパルスがトリガーを超えると、いつもより速く動いている、ということで、シグナルになります。

一般的には、ある通貨が一気に買われたり、売られたりし始めたときは、その通貨を含む通貨ペアが大きく動きやすいと言われています。
MT4とMT5の両方に対応
通貨インパルスは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
サブウインドウの線
サブウインドウには、8つの通貨のインパルスが色の違う線で表示されます。真ん中の灰色の点線がゼロの線です。ゼロより上なら強さが増えている途中、ゼロより下なら強さが減っている途中です。
- 線の色:米ドルが赤、円が黄色、ユーロが白、ポンドが青、豪ドルが水色、ニュージーランドドルがピンク、カナダドルが緑、スイスフランがオレンジ
- 開いているチャートの2つの通貨は太い線、ほかの6つの通貨は細い線(ドル円なら、米ドルの赤と円の黄色が太い線)
- サブウインドウの右端の線の先に、通貨名
下の画像は、ほかの6つの通貨を隠して、ドル円の米ドル(赤)と円(黄色)だけを表示した例です。

トリガーの線
黄色の破線がトリガーで、ゼロの上と下の両方に引かれています。灰色の点線は勢いの目安の23と50です。初期設定ではトリガーが23なので、トリガーと勢いの目安23の線は、同じ高さで重なっています。

サブウインドウの矢印
インパルスがトリガーを超えたところには、その通貨の色の矢印が表示されます。上のトリガーを超えたときは上向き、下のトリガーを超えたときは下向きです。

メインチャートの矢印
チャートの2つの通貨にシグナルが出たときは、メインチャートにも矢印が出ます。ドル円のチャートなら、ドルが上のトリガーを超えたときや、円が下のトリガーを超えたときは、ローソク足の安値の下に緑の上向きの矢印が出ます。反対に、ドルが下のトリガーを超えたときや、円が上のトリガーを超えたときは、ローソク足の高値の上に紫の下向きの矢印が出ます。

メインチャートの縦の点線
メインチャートの緑や赤の縦の点線は、チャートの2つの通貨が、反対の方向に勢いよく動いたローソク足の印です。たとえばドル円なら、ドルが急に強くなるのと同時に、円が急に弱くなったようなときです。2つの通貨の動きの速さに、勢いの目安で18以上の差が出たときに引かれます。ドル円が上がる向きなら緑、下がる向きなら赤の縦線です。

矢印と縦の点線は、確定したローソク足に描かれ、新しいローソク足ができるたびに更新されます。
左上のパネル
パネルの一番上には、インジケーターの名前と、トリガー、縦線の基準、感度が表示されます。その下にトリガーの今の値、さらにその下に、今一番強く上昇している通貨が緑の文字で、一番強く下落している通貨が紫の文字で表示されます。
通貨名の横の数字は、その通貨の強さが、ローソク足1本でどれだけ速く動いたかです。トリガーの23と同じものさしで表しているので、「USD 35 上昇」と出ていれば、米ドルがトリガーの23より速く上昇しているとわかります。どの通貨もトリガーを超えていないときは、「勢いなし」と表示されます。
シグナルが出ているときは、その通貨名が矢印と一緒に大きく表示され、その下に候補の通貨ペアのボタンが出ます。候補の通貨ペアは、シグナルの通貨と、反対の方向に一番強く動いている通貨の組み合わせです。たとえば、米ドルが急に上昇していて、一番強く下落しているのが円なら、候補はドル円で、買いと表示されます。ボタンを押すと、その通貨ペアのチャートに切り替わります。

※上の画像は、シグナルが出ている状態を見やすくするために、目盛りの広さなどの設定を初期設定から変えて表示しています。
パネルの数字は、初期設定では確定したローソク足で計算しています。
通貨のボタン
サブウインドウの左下に、通貨名のボタンが並んでいます。2つの通貨を続けて押すと、その通貨ペアのチャートに切り替わります。たとえば、USDとJPYを押すと、ドル円のチャートに切り替わります。

通知の機能
どれかの通貨のインパルスがトリガーを超えると、通貨名と、強さが動いた速さの数字、候補の通貨ペアと、買いか売りかを知らせてくれます。同じ通貨では、ローソク足1本につき1回だけ知らせます。通知しない通貨ペアを決めておくこともできます。ポップアップのほか、音やメール、スマホへのプッシュ通知も選べます。
通貨インパルスの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「CurrencyImpulse.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_CurrencyImpulse.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_CurrencyImpulse」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「CurrencyImpulse_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_CurrencyImpulse.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_CurrencyImpulse」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
このインジケーターは28の通貨ペアのデータを使います。通貨ペアは、気配値表示に自動で追加されます。ブローカーによって、通貨ペア名の前や後ろに記号が付いている場合は、パラメーター設定でその記号を入力してください。データの読み込み中や、ブローカーに無い通貨ペアがあるときは、パネルにその状態が表示されます。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| インパルスの感度 | ゆっくり | ゆっくり・ふつう・速いの3つから選べます。速くするほど強さの計算期間が短くなり、小さな動きにも反応しやすくなります。 |
| 勢いの目安の基準にする期間(本数) | 200 | 勢いの目安の目盛りを決める期間です。 |
| 勢いの目安の目盛りの広さ(倍率) | 20 | 小さくするほど、シグナルが増えます。 |
| 通貨ペア名の前・後に付く文字 | 空欄 | ブローカーの通貨ペア名に記号が付く場合に入力します。 |
| ほかの6通貨を点線にする・隠す | false | チャートの2通貨だけを見やすくできます。 |
| 通知に使うローソク足 | 確定したローソク足 | 形成中を選ぶと早く気付けますが、ローソク足が確定するまでに値が変わることがあります。 |
| トリガー(勢いの目安) | 23 | 高くすると、強いシグナルだけになります。 |
| 縦線を出す2通貨の差(勢いの目安) | 18 | 大きくすると、強いときだけ縦線が出ます。 |
| 通知しない通貨ペア | 空欄 | カンマ区切りで入力します(例:USDCHF,EURCHF)。 |
| パネルを出す場所 | メインチャート | サブウインドウに移すこともできます。 |
| ポップアップ・音・メール・プッシュ通知 | ポップアップだけtrue | メールとプッシュ通知は、MT4・MT5側の設定が必要です。 |
使うときの注意点
- このシグナルは、過去の値動きから計算したものです。シグナルが出た後に、同じ方向へ動き続けるとは限りません。急に動いた後に、すぐ戻ることもあります。
- 感度や時間足によって、シグナルの出る場所や回数が変わります。
- ゴールドなど、8つの通貨の組み合わせではないチャートでは、太い線と、メインチャートの矢印、縦の点線は表示されません。
通貨インパルスに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 通貨強弱メーターとの違いは何ですか?
通貨強弱メーターは、通貨の強さそのものを線で表示します。通貨インパルスは、その強さがローソク足1本でどれだけ動いたか、つまり強さが変わる速さを表示し、いつもより速く動いたときに知らせます。
Q. シグナルが多い・少ないと感じます。
パラメーター設定の「トリガー」や「勢いの目安の目盛りの広さ」「インパルスの感度」を変えてください。トリガーを高くすると強いシグナルだけになり、目盛りの広さを小さくするとシグナルが増えます。
Q. ゴールドのチャートで使えますか?
サブウインドウの8通貨の線は表示されますが、8つの通貨の組み合わせではないため、太い線と、メインチャートの矢印、縦の点線は表示されません。
通貨インパルスの無料ダウンロードはこちら
まとめ
今回は、通貨の強さが変わる速さを表すインパルスの考え方と、無料インジケーター「通貨インパルス」を紹介しました。
インパルスは、通貨が動き出した瞬間だけ大きくなり、動きが止まるとゼロの近くに戻ります。通貨インパルスを使えば、8通貨のインパルスが自動でサブウインドウに表示され、トリガーを超えたときに矢印と通知で知らせてくれます。
通貨の動き出しをチャートで確かめながら学びたい方は、ぜひ通貨インパルスを活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。



