移動平均線は、上向きか下向きか、どのくらい急に傾いているかで、相場の流れを見るときに使われます。ただ、傾きの大きさは、チャートを見た目で判断すると人によって変わります。
この記事では、移動平均線の傾きを数字にする考え方と、角度への直し方・角度の区分を、初めての方にもわかるように順番に解説します。あわせて、移動平均線の傾きを角度に直して表示する「移動平均線の角度・傾き表示インジケーター」を紹介します。MT4とMT5の両方に対応しています。こちらのインジケーターは完全に無料で提供しております。
この記事のポイント
- 「移動平均線の角度・傾き表示インジケーター」は、今の移動平均線の値と5本前の値の差を傾きとして測ります(初期設定は期間21のEMA)。
- 傾きをATRで割って、通貨ペアや時間足が違っても同じ物差しで比べられるようにし、-90度〜+90度の角度に直します。
- 角度は6色のヒストグラムで表示し、チャートの右上には半円の角度メーターを表示します。
- 角度が±30度を超えたらトレンド発生、±10度の内側に入ったら横ばい(レンジ注意)の通知が届きます。
- MT4とMT5の両方に対応しています。メールアドレスを登録すると、配布ページから無料でダウンロードできます。
| 名称 | 移動平均線の角度・傾き表示インジケーター(ファイル名:MT4版 MAM_MAAngle.ex4/MT5版 MAM_MAAngle.ex5) |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | MT4(MetaTrader 4)・MT5(MetaTrader 5)のWindows版 |
| 料金 | 完全無料 |
| 表示するもの | 移動平均線の角度のヒストグラム(6色)と角度の線、区分の境目の点線、チャート右上の半円の角度メーター |
| 通知 | ポップアップ・音・メール・プッシュ通知(トレンド発生・横ばい。強いトレンドも選べます) |
| 開発者 | Toshi(MoreAndMore Info) |
移動平均線の角度・傾き表示インジケーターを無料でダウンロードする ▼

移動平均線の傾きとは?
移動平均線とEMA
移動平均線とは、過去何本かのローソク足の終値の平均を、線でつないだものです。このインジケーターでは、初期設定で期間21のEMAを使います。EMAは、指数平滑移動平均の略です。新しい価格ほど、平均に大きく反映させる移動平均線のことです。

移動平均線の一般的な見方
一般的には、移動平均線が上向きなら上昇の流れ、下向きなら下降の流れ、平らなら方向が出ていない状態という見方をします。傾きが急なほど、その方向への動きが強い、と考えられています。

傾きを角度に直すしくみ
傾きを数字にする
このインジケーターでは、今の移動平均線の値と、5本前の移動平均線の値を比べます。たとえば、5本前が158円20銭、今が158円30銭なら、5本で10銭、つまり10pips上がっています。

ATRで割って、同じ物差しにする
ただし、同じ10pipsでも、よく動く通貨ペアや長い時間足では小さな動き、あまり動かない通貨ペアや短い時間足では大きな動きです。そこで、ATRを使います。ATRは、アベレージトゥルーレンジの略で、ローソク足1本あたりの、平均的な値動きの大きさのことです。
傾きをATRで割ることで、通貨ペアや時間足が違っても、同じ物差しで比べられるようにしています。

角度への直し方
ATRで割った傾きに倍率をかけて、マイナス90度からプラス90度までの角度に直します。傾きが急になるほど90度に近づき、どれだけ急でも90度を超えない計算です。
たとえば、ATRが10pipsのとき、5本で10pips上がると、角度はプラス45度になります。5本で1pipsしか上がっていなければ、角度は約6度で、ほぼ平らです。下がっているときは、マイナスの角度になります。

角度の区分
初期設定では、角度を次のように区分します。
- 強い上昇トレンド:60度以上
- 上昇トレンド:30度以上
- 弱い上向き:10度〜30度
- 横ばい:10度より小さい間(プラスでもマイナスでも同じ)
- 弱い下向き:マイナス10度〜マイナス30度
- 下降トレンド:マイナス30度以下
- 強い下降トレンド:マイナス60度以下

MT4とMT5の両方に対応
移動平均線の角度・傾き表示インジケーターは、MT4版とMT5版の両方を配布しています。表示する内容とパラメーターは、MT4版とMT5版で同じです。

チャートの見方
角度のヒストグラム
チャートの下に、別の窓が表示されます。ここには、角度が棒グラフで表示されます。このような棒グラフを、ヒストグラムといいます。0の線より上がプラスの角度、下がマイナスの角度です。

棒の色
棒の色は、角度の区分によって変わります。
- 青は、強い上昇です。
- 水色は、上昇です。
- 灰色は、弱い傾き(弱い上向き・弱い下向き)です。
- 黄色は、横ばいです。
- 薄いオレンジは、下降です。
- オレンジがかった赤は、強い下降です。
下の画像では、水色・灰色・黄色・薄いオレンジ・オレンジがかった赤の棒を赤枠で囲んでいます(この場面では、強い上昇の青の棒は出ていません)。

角度の線と区分の境目
棒の先には、白い線が引かれています。これは、角度の値をつないだ線です。点線の横線は、区分の境目です。プラスとマイナスの、10度、30度、60度に引かれています。

窓の左上の表示
窓の左上には、移動平均線の種類と期間、今の角度が表示されます。

角度メーター
チャートの右上には、半円の角度メーターが表示されます。
- 一番上に、MAの角度と、移動平均線の種類と期間が書かれています。
- 半円の形に並んだ点が、目盛りです。左の端がマイナス90度、右の端がプラス90度で、15度ごとに点が並んでいます。目盛りの点の色は、ヒストグラムの区分の色と同じです。
- 真ん中から伸びる点の並びが、針です。針は、今のローソク足の角度を指します。針の色も、今の区分の色になります。
- メーターの下には、今の角度の数字と、「弱い上向き」「横ばい」のような区分の名前が表示されます。
メーターの針と数字は、今動いているローソク足の角度なので、ローソク足が確定するまでの間に変わります。

通知の機能
初期設定では、角度がプラス30度を上に超えたときに「上昇トレンド発生」、マイナス30度を下に超えたときに「下降トレンド発生」の通知が届きます。プラスかマイナスの10度の内側に入ったときにも、「横ばい(レンジ注意)」の通知が届きます。パラメーターでオンにすると、60度を超えた強いトレンドでも通知を受け取れます。
通知は、初期設定では確定したローソク足で判定します。通知の方法は、ポップアップ・音・メール・スマホへのプッシュ通知です。初期設定では、ポップアップと音がオンです。
移動平均線の角度・傾き表示インジケーターの導入方法
MT4の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「MAAngle.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL4」→「Indicators」に、「MAM_MAAngle.ex4」を入れます。
- MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターの「インディケータ」から「MAM_MAAngle」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
MT5の場合
- 下記のダウンロード方法に沿って「MAAngle_MT5.zip」をダウンロードし、解凍します。
- MT5のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選びます。
- 開いたフォルダの「MQL5」→「Indicators」に、「MAM_MAAngle.ex5」を入れます。
- MT5を再起動するか、ナビゲーターの中で右クリックして「更新」を押します。
- ナビゲーターから「MAM_MAAngle」をチャートにドラッグし、「OK」を押します。
パラメーターの説明
パラメーターは、すべて日本語で表示されます。

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| ID | 1 | 同じインジケーターを1つのチャートに複数入れるときは、別の値にします。 |
| MAの期間 | 21 | 角度を測る移動平均線の期間です。 |
| MAの種類 | 指数移動平均(EMA) | 単純移動平均(SMA)・平滑移動平均(SMMA)・加重移動平均(LWMA)を合わせた4種類から選べます。 |
| 使う価格 | 終値 | 終値・中値・代表値・加重終値から選べます。 |
| 傾きを測る本数 | 5 | 何本前の移動平均線の値と比べるかです。 |
| ATR期間 | 50 | 傾きを割るATRの期間です。 |
| 角度の倍率 | 5.0 | 大きくすると、同じ傾きでも角度が大きく出ます。 |
| トレンド発生とみなす角度・強いトレンドとみなす角度・横ばいとみなす角度 | 30・60・10 | 区分の境目の角度です。横ばいは、この角度より小さい間です。 |
| 計算する本数 | 3000 | 直近の何本で計算するかです。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| 強い上昇・上昇・弱い傾き・横ばい・下降・強い下降の色 | DodgerBlue・LightSkyBlue・SlateGray・Gold・LightSalmon・OrangeRed | 6つの区分の棒の色をそれぞれ変えられます。 |
| ヒストグラムの太さ | 2 | 棒の太さです。 |
| 角度の線も表示・角度の線の色 | true・White | 棒の先をつなぐ白い線を表示するかどうかと、その色です。 |

| 項目 | 初期設定 | 内容 |
|---|---|---|
| チャート上に半円メーターを表示 | true | falseにすると、メーターを出しません。 |
| メーターの位置 | 右上 | チャートの4つの隅から選べます。 |
| メーターの横位置・縦位置・半径・文字サイズ | 10・20・55・9 | 位置は隅からの距離(ピクセル)です。メーターの大きさと文字の大きさも変えられます。 |
| 通知を判定するローソク足 | 確定したローソク足だけ | 作りかけのローソク足(今動いているローソク足)で判定するようにも変えられます。 |
| トレンド発生で通知・強いトレンドで通知・横ばいになったら通知 | true・false・true | どの場面で通知するかを選べます。 |
| ポップアップ・音 | true・true | いらないときはfalseにします。音のファイル名は初期設定で alert.wav です。 |
| メール・プッシュ通知 | false・false | 使うときはtrueにします。MT4・MT5側の設定が必要です。 |
使うときの注意点
- このインジケーターの角度は、ATRと倍率から計算した数字です。チャートを拡大したり縮小したりしたときの、見た目の線の角度とは同じではありません。
- 移動平均線は過去の価格の平均なので、実際の値動きより少し遅れて動きます。
- 角度が大きくなっても、その方向に動き続けるとは限りません。横ばいから急に動き出すこともあります。
- 通知の判定を今動いているローソク足に変えると、ローソク足が確定するまでに角度が変わり、通知の後で区分が戻ることがあります。
移動平均線の角度・傾き表示インジケーターに関するよくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。メールアドレスをご登録いただくと、無料インジケーター配布ページからダウンロードできます。
Q. MT5でも使えますか?
はい。MT4版とMT5版の両方を配布しています。どちらもWindows版のMT4・MT5で使えます。スマホ版・タブレット版では使えません。
Q. 表示される角度は、チャートで見た線の角度と同じですか?
同じではありません。このインジケーターの角度は、移動平均線の傾きをATRで割り、倍率をかけて計算した数字です。チャートを拡大・縮小しても、角度の数字は変わりません。
Q. 移動平均線の期間や種類を変えられますか?
変えられます。初期設定は期間21のEMAで、種類はSMA・SMMA・LWMAを合わせた4種類から選べます。使う価格や、傾きを測る本数、ATRの期間、角度の倍率も変えられます。
Q. 通知を止めたいときはどうすればいいですか?
初期設定では、トレンド発生と横ばいのときに、ポップアップと音でお知らせします。いらないときは、パラメーターの「ポップアップで通知」と「音を鳴らす」をfalseにしてください。
移動平均線の角度・傾き表示インジケーターの無料ダウンロードはこちら
まとめ
今回は、移動平均線の傾きを数字にして角度に直す考え方と、その角度をヒストグラムと半円のメーターで表示する無料の「移動平均線の角度・傾き表示インジケーター」を紹介しました。
このインジケーターは、今の移動平均線の値と5本前の値の差をATRで割り、-90度〜+90度の角度に直して表示します。通貨ペアや時間足が違っても同じ物差しで傾きを比べられ、トレンド発生や横ばいになったときには通知が届きます。
移動平均線の傾きの大きさを数字で確かめながら学びたい方は、ぜひ活用してみてください。
※本インジケーターは売買の判断を補助するツールです。投資は自己責任で行ってください。利益を保証するものではありません。




